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トマトの雄性不稔に関わる遺伝子候補を特定 トマトの低コストF1採種へ かずさDNA研究所2021年12月2日

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かずさDNA研究所は、筑波大学とトキタ種苗と共同で、トマトで花粉をつくらせない遺伝子(細胞質雄性不稔遺伝子候補をミトコンドリアゲノム上に特定した。この研究で得られた成果から細胞質雄性不稔の親系統を開発することで、除雄作業が不要となり、トマトのF1種子生産のコストを下げることが期待される。

F1採種のための受粉F1採種のための受粉

多くの野菜では、異なる2系統を両親とする交雑で得られる一代雑種(F1)が品種として開発されている。F1品種は固定種に比べて、病気などに強く、成長速度がそろい、収量も多く、同時期に収穫できるなどの特長から現代農業には欠かせない。

トマトは世界で最も生産されている野菜で、国内で流通しているのはほとんどがF1品種。トマトには世界のそれぞれの地方で伝統的に育てられてきた固定種があるが、その地方以外では育ちにくいという欠点があったため、F1品種が開発されてきた。

トマトはひとつの花にある雄しべから出た花粉が雌しべに受粉する「自家受粉」ができる植物であるため、F1種子を得るのに種子親(母親)系統の開花前の花から雄しべを取り除く作業「除雄(じょゆう)」が行なわれているが、手間がかかり、種子親の花粉が残らないよう細心の注意が必要となる。もし、雌雄異株の植物のように花粉ができない花をつける性質「雄性不稔」をもつ系統を種子親(母親)として利用できれば、除雄せずにF1種子を採種できる。トマトでも雄性不稔の系統は知られていたが、雄性不稔に関わる遺伝子は特定されていなかった。そこで研究グループは、トマトで細胞質雄性不稔を利用したF1採種技術を開発するために、細胞質雄性不稔系統のゲノム解析を行った。

同研究で得られた成果から細胞質雄性不稔の親系統を開発することで、除雄作業が不要となり、トマトのF1種子生産のコストを下げることができると期待される。この研究成果は国際学術雑誌「HorticultureResearch」で12月1日にオンラインで公開された。

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