BNI強化コムギの温室効果ガス削減効果をLCAで評価 国際農研2021年12月13日
国際農研は、国際トウモロコシ・コムギ改良センター(CIMMYT)と共同で、少ない窒素肥料で高い生産性を示すBNI(生物的硝化抑制)強化コムギについて、コムギ生産の各段階で発生する総温室効果ガス排出量を「ライフサイクル温室効果ガス」として評価する新たなモデルを構築した。
生物的硝化抑制による生産力向上と持続性の両立への貢献
同研究は、LCA(ライフサイクルアセスメント)に基づき、BNIに関わる補正を加えた新たなモデルに、硝化抑制率40%のBNI強化コムギを適用した場合、ライフサイクル温室効果ガスの排出量は15.9%低減できることを示した。また、この際のコムギの窒素利用効率は16.7%向上し、施肥窒素量は15.0%削減できることを試算した。
一方、BNI強化コムギは、微酸性から中性の土壌(pH5.5~7.0)で、硝化抑制作用をよく発揮することが明らかになっている。世界のコムギ生産面積、約2億4000万ヘクタールの約3割にあたる約7200万ヘクタールがこの条件を満たしており、硝化抑制率40%のBNI強化コムギを導入した場合、LCAでは窒素肥料由来の温室効果ガスを9.5%削減可能と推定した。
BNI強化コムギの開発は、高い生産性と農業からの環境負荷軽減を両立させる農業システムの構築に貢献し、地球温暖化の緩和への効果も期待できる。
同研究の成果は、科学雑誌「Environmental Scienceand Pollution Research」オンライン版で9月1日に掲載された。
BNI強化コムギによる窒素肥料由来の温室効果ガス(GHG)削減
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