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東京農工大学が冬季ブルーベリーの栽培に成功  伊勢丹新宿店で販売開始2021年12月28日

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東京農工大学と日本ガスコムは、ブルーベリーの通年生産システムの社会実装化の実験を行い、これまで生産が不可能とされた冬季のブルーベリー果実の出荷に成功。「クリスピーベリー」と名付けられたブルーベリーは、12月から伊勢丹新宿店で販売されている。

東京農工大学が冬季ブルーベリーの栽培に成功  伊勢丹新宿店で販売開始ライフサイクルの短縮化と高収化のシナリオ

ブルーベリーの通年生産システムは、同社グループのアグリガスコムの植物工場を使い、東京農工大学の荻原勲名誉教授が開発した。ブルーベリーの収穫期間は1品種でみると3週間程度と短く、果実の成熟時期が異なる種、品種、栽培型を組み合わせても、日本では夏季の4か月間が主な出荷期間となる。そのため、冬季を含めたオフシーズンは、海外からの輸入に頼っている。

荻原名誉教授らは、果樹生産のための革新的な技術を開発するため、2011年にキャンパス内に「先進植物工場研究施設」を建設。同施設は、太陽光を利用する地上1階部分の太陽光型植物工場と、人工光を利用する地下1階の人工光型植物工場による2階建構造となっている。果樹は、春夏秋冬を体験させることによって開花、結実し、休眠するため、同施設では、「春・夏・秋・冬」それぞれの環境を再現できる部屋を設置し、ブルーベリーをモデル植物として、果樹のライフサイクルの短縮化の研究を行ってきた。

連続開花結実状況連続開花結実状況

研究の結果、ブルーベリーの連続開花結実法を開発し、2012年に特許を取得。この技術では、オフシーズンを含む通年で果実の収穫が可能になる。また、通常の自然栽培に比べて4~5倍の収量になり、連続的に開花し、結実するため、1本の木に花、未熟果、成熟果が混在する四季なりの様相を示し、長期にわたって出荷が可能になる。

そこで、同技術を社会実装するため、共同研究先の日本ガスコムが6月に設立した6000平方メートルの植物工場で、連続開花結実法を誘導する温度、日長等の制御を行って実験を重ねた結果、9月から開花が認められ、11月から果実が成熟。品種によって大きさ、糖度は異なるが、大粒や高糖度の果実が収穫できたことから、伊勢丹新宿店で果実が12月から販売されることになった。

アグリガスコムの植物工場アグリガスコムの植物工場

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