サツマイモ基腐病 県内で新発生 中西部のサツマイモ栽培ほ場で確認 広島県2022年1月13日
広島県西部農業技術指導所は、サツマイモ基腐病の発生を広島県中西部で確認。これを受け、1月7日に病害虫発生予察特殊報第4号を発令した。
株元の様子(写真提供:広島県西部農業技術指導所)
2021年11 月中旬に、広島県中西部のサツマイモ栽培ほ場で茎葉の枯死および、地際部の茎が黒変した株が確認された。株を採取して農林水産省神戸植物防疫所に同定を依頼した結果、広島県では未発生のサツマイモ基腐病であることが判明した。
国内では、沖縄県、鹿児島県、宮崎県、福岡県、熊本県、長崎県、高知県、静岡県、岐阜県、群馬県、茨城県、東京都、千葉県、岩手県、愛媛県、福井県、埼玉県、石川県、山形県、北海道、鳥取県、長野県の22都道県で発生が確認されている。
病徴および被害としては、茎の地際部が暗褐色~黒色に変色し、地上部に黄変・萎凋等の症状が見られ、その後、症状が進行すると枯死する。発病が塊根まで拡大すると、成り首側から塊根が腐敗。塊根は収穫時に無病徴でも貯蔵中に腐敗することがある。また、発病株の黒変部に微小な黒点粒状の柄子殻が形成され、降雨等により内部から大量の胞子が漏出する。胞子は強い風雨やほ場の停滞水により畝及び畝間に沿って拡散し、周辺の健全な株に感染する。
この菌の宿主植物はヒルガオ科植物(主にサツマイモ)のみで、発病したつるや塊根で伝搬。また、植物残渣上で越冬し、翌年の伝染源となる。
表皮に形成された柄子殻(写真提供:広島県西部農業技術指導所)
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇発病株(茎葉や塊根)は速やかに抜き取り、ほ場外へ持ち出し適切に処分する。
〇発病株の除去後、周辺株への感染を防止するため,薬剤散布を行う。
〇残渣等は翌年の伝染源となるため、収穫後にはほ場から速やかに取り除く。
〇発病ほ場で使用した資材や機械は、消毒や洗浄を十分に行う。
〇発病ほ場では、ヒルガオ科以外の作物で輪作を行う。
〇同病は排水不良な場所で発病しやすいため、ほ場の排水対策を実施する。
〇未消毒の苗は、同病に適用がある農薬で消毒する。
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