リゾクトニア病の効果的な発病抑制法の確立へ 岡山大と共同研究開始 三洋化成2022年2月3日
三洋化成工業(京都市東山区)は、植物の難防除病害であるリゾクトニア病の発病を抑制する環状ペプチド剤の開発に向け、岡山大学学術研究院環境生命科学学域の能年義輝研究教授らのグループと共同研究を行う。
リゾクトニア病は、Rhizoctonia solaniという病原糸状菌が原因で引き起こされる、植物のさまざまな病害の総称。多くの作物に対して甚大な被害を及ぼすにもかかわらず、農薬などによる方法では防除しきれないのが現状だ。さらに、地球環境の変動に伴う今後の被害拡大が懸念されていることから、同病を克服するための対策技術の開発が求められている。
岡山大学の能年研究教授らのグループは独自の探索方法を駆使して、植物に処理した場合に抵抗性誘導効果を発揮してリゾクトニア病を抑制する特定の環状ペプチドを発見。これらは、植物が生来もつ免疫力を活性化することによって発病を抑制する働きをもつことから、菌に作用する殺菌性農薬のように薬剤耐性菌が出現したり、環境微生物に悪影響を及ぼす可能性が低い。
同技術シーズを社会実装するためには、環状ペプチド剤の生産方法の確立や実用に適した製剤化が不可欠となる。三洋化成は、微生物を用いてペプチドを効率的に生産する技術を持ち、ナノ粒子に環状ペプチド剤を内包したり、農薬をコーティングするなど、さまざまな製剤化方法により、徐放性や緩効性を制御する技術を保有。これらは同研究で目指す施用技術開発の実現を支える基盤となりる。
今回の共同研究で、三洋化成は、環状ペプチドの生産技術や、発病抑制効果を長期にわたって引き出すための製剤化技術を開発。これまで有効な防除法がなかったリゾクトニア病に対する対抗手段を確立し、農業被害の低減を目指す。また、減農薬につなげ、環境負荷低減および持続可能な農業の実現に貢献できるよう、抵抗性誘導型の農業資材の普及に取り組む。
重要な記事
最新の記事
-
米農家(個人経営体)の「時給」63円 23年、農業経営統計調査(確報)から試算 所得補償の必要性示唆2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(1)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(2)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
変革恐れずチャレンジを JA共済連入会式2025年4月2日
-
「令和の百姓一揆」と「正念場」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月2日
-
JAみやざき 中央会、信連、経済連を統合 4月1日2025年4月2日
-
サステナブルな取組を発信「第2回みどり戦略学生チャレンジ」参加登録開始 農水省2025年4月2日
-
JA全農×不二家「ニッポンエール パレッティエ(レモンタルト)」新発売2025年4月2日
-
姿かたちは美しく味はピカイチ 砂地のやわらかさがおいしさの秘密 JAあいち中央2025年4月2日
-
県産コシヒカリとわかめ使った「非常時持出米」 防災備蓄はもちろん、キャンプやピクニックにも JAみえきた2025年4月2日
-
霊峰・早池峰の恵みが熟成 ワイン「五月長根」は神秘の味わい JA全農いわて2025年4月2日
-
JA農業機械大展示会 6月27、28日にツインメッセ静岡で開催 静岡県下農業協同組合と静岡県経済農業協同組合連合会2025年4月2日
-
【役員人事】農林中金全共連アセットマネジメント(4月1日付)2025年4月2日
-
【人事異動】JA全中(4月1日付)2025年4月2日
-
【スマート農業の風】(13)ロボット農機の運用は農業を救えるのか2025年4月2日
-
外食市場調査2月度 市場規模は2939億円 2か月連続で9割台に回復2025年4月2日
-
JAグループによる起業家育成プログラム「GROW&BLOOM」第2期募集開始 あぐラボ2025年4月2日
-
「八百結びの作物」が「マタニティフード認定」取得 壌結合同会社2025年4月2日
-
全国産直食材アワードを発表 消費者の高評価を受けた生産者を選出 「産直アウル」2025年4月2日
-
九州農業ウィーク(ジェイアグリ九州)5月28~30日に開催 RXジャパン2025年4月2日