アスパラガスの種間交雑で品種育成へ「ハマタマボウキ」のゲノムを解読 かずさDNA研究所2022年2月8日
かずさDNA研究所、香川県農業試験場、東北大学大学院生命科学研究科は共同で、アスパラガスに近縁の野生種であるハマタマボウキのゲノムを解読した。この研究結果は、アスパラガスの種間交雑による品種育成への貢献が期待される。
砂浜海岸に自生している ハマタマボウキ
食用アスパラガスは、市場価値も高く、狭い耕作地で栽培でき、気候の影響を受けにくいハウス栽培に適していることから、新規就農者にも取り組みやすい作物といえる。日本にはアスパラガス近縁種が4種知られており、その中で最も注目されているのが山口県から九州北部の砂浜海岸に自生する「ハマタマボウキ」で、環境省レッドリスト絶滅危惧IΒ類に入る絶滅に瀕する植物。ハマタマボウキは砂浜に生息することから、耐塩性や耐乾性などのストレス耐性を持つと予想されるが、最も注目すべき形質として茎枯病抵抗性がある。
アスパラガス茎枯病はカビの一種によって引き起こされる病気で、一度発病するとその後の防除が難しくなるため、茎枯病抵抗性品種の開発が強く望まれていた。しかし、食用アスパラガスには茎枯病抵抗性を有する品種がなく、茎枯病抵抗性を有し、かつ食用アスパラガスと交雑可能なハマタマボウキは、アスパラガス育種において重要な遺伝資源と位置付けられている。
ハマタマボウキを用いた茎枯病抵抗性品種の育成については、香川県農業試験場と東北大学が参画する農食事業およびイノベーション創出強化研究推進事業で進められており、育成されれば茎枯病抵抗性品種としてだけでなく、近縁野生種を用いた品種として世界初となる。
今後、ハマタマボウキの茎枯病抵抗性やストレス耐性などの有用形質をもち、かつ食用野菜として価値の高いアスパラガス品種開発を加速化させるためには、ハマタマボウキのゲノムを明らかにしてマーカー育種4を進める必要がある。その基盤情報を整えるため、今回ハマタマボウキのゲノム解読を進められた。
また、ハマタマボウキのゲノムを明らかにすることは遺伝資源の利用だけでなく、絶滅危惧種の保護の面からも重要。それは、両種の交雑が可能であることは、砂浜海岸に自生するハマタマボウキに、食用アスパラガスのゲノムが侵入する遺伝子汚染が進行する恐れがあるため。ハマタマボウキのゲノム情報は、自生地付近での食用アスパラガスや種間交雑種の栽培の規制の根拠となるゲノムチェックの有効なツールとなる。
さらに、アスパラガスとハマタマボウキのゲノム解析には、生物学上の興味も含まれる。アスパラガスの仲間は、進化の過程で真正双子葉類と単子葉類が分岐した直後に他の単子葉植物から分岐し、初期の単子葉類の状態を保持していると考えられている。そのため、単子葉類の初期進化をゲノムから探る上でも重要な位置を占めている。また、ハマタマボウキとアスパラガスは雌雄異株だが、アスパラガス野生種には雌雄が分かれていない(雌雄同株)種もある。今回のゲノム解析は、雌雄性獲得の歴史や進化解明の一助となることが期待される。
同研究成果は1 月 18 日、国際学術雑誌『DNA Research』 でオンライン公開された。
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】農水省(4月7日付)2025年4月4日
-
イミダクロプリド 使用方法守ればミツバチに影響なし 農水省2025年4月4日
-
農産物輸出額2月 前年比20%増 米は28%増2025年4月4日
-
(429)古米と新米【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月4日
-
米国の関税措置 見直し粘り強く要求 江藤農相2025年4月4日
-
「@スポ天ジュニアベースボールカップ2025」に協賛 優勝チームに「令和7年産新米」80Kg贈呈 JA全農とやま2025年4月4日
-
JAぎふ清流支店がオープン 則武支店と島支店を統合して営業開始 JA全農岐阜2025年4月4日
-
素材にこだわった新商品4品を新発売 JA熊本果実連2025年4月4日
-
JA共済アプリ「かぞく共有」機能導入に伴い「JA共済ID規約」を改定 JA共済連2025年4月4日
-
真っ白で粘り強く 海外でも人気の「十勝川西長いも」 JA帯広かわにし2025年4月4日
-
3年連続「特A」に輝く 伊賀産コシヒカリをパックご飯に JAいがふるさと2025年4月4日
-
自慢の柑橘 なつみ、ひめのつき、ブラッドオレンジを100%ジュースに JAえひめ南2025年4月4日
-
【役員人事】協同住宅ローン(4月1日付)2025年4月4日
-
大企業と新規事業で社会課題を解決する共創プラットフォーム「AGRIST LABs」創設2025年4月4日
-
【人事異動】兼松(5月12日付)2025年4月4日
-
鈴茂器工「エフピコフェア2025」出展2025年4月4日
-
全国労働金庫協会(ろうきん)イメージモデルに森川葵さんを起用2025年4月4日
-
世界最大級の食品製造総合展「FOOMAJAPAN2025」6月10日から開催2025年4月4日
-
GWは家族で「おしごと体験」稲城の物流・IT専用施設で開催 パルシステム2025年4月4日
-
「農業×酒蔵」白鶴酒造と共同プロジェクト 発酵由来のCO2を活用し、植物を育てる"循環型"の取り組み スパイスキューブ2025年4月4日