マンゴーにランクロホシカイガラムシ本島中南部で発生 沖縄県2022年3月2日
沖縄県病害虫防除技術センターは、マンゴーにランクロホシカイガラムシの発生を沖縄本島中南部で確認。これを受け、2月28日に病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
左から、ランクロホシカイガラムシの雌成虫(未成熟)、(成熟)(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
2021年5月に豊見城市のマンゴー施設で、樹勢が低下し落葉が進むマンゴー樹が確認され、観察すると枝、葉柄、葉にマルカイガラムシ科の1種が多数寄生していた。沖縄県病害虫防除技術センターでプレパラート標本を検鏡したところ、県内未発生のランクロホシカイガラムシと考えられたため、九州大学総合研究博物館・愛媛大学農学部田中宏卓博士に同定を依頼。その結果、マルカイガラムシ科ランクロホシカイガラムシであると同定された。
発生状況について、沖縄本島中南部、宮古島、石垣島のマンゴー施設で調査したところ、新たにうるま市のマンゴー施設で同種が確認された。国内において同種は東京都の温室と小笠原諸島でバンダ(ラン科)から記録がある。また、1998年に鹿児島県与論島のマンゴーに発生していることが報告されている。
被害として同種は、ラン科バンダ、デンドロビウム、ウルシ科マンゴー、マメ科、トウダイグサ科を含む6科13属に寄生する。マンゴーでは枝に寄生するのが多く見られるが、発生が多くなると葉柄、葉に寄生。多発生時には生育が阻害され、樹勢低下を引き起こし、落葉する。亜熱帯原産の種で、世界各地でマンゴーの害虫として知られる。
ランクロホシカイガラムシの雄成虫(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
雌成虫の介殻は茶褐色、虫体は淡黄~淡紫色で、成熟すると暗赤色となる。ほぼ円形で成熟すると後方に白色・舌状の突出部を形成。2齢幼虫脱皮殻が黒褐~黄緑色に薄く透けてみえる。体長1.5ミリ程度。雄幼虫の介殻は、雌に似ているが楕円形で小型。ふ化幼虫は親介殻から離れて歩行移動し、植物に寄生する。雌は終始移動せずに植物に固着するが、雄は2齢幼虫から蛹を経て有翅成虫となる。年に数回世代を繰り返すとされるが、沖縄県における発生生態は不明。
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇発生の見られる枝は除去しほ場外に持ち出し適切に処分する。
〇発生地域からの苗木の移動による本種の拡散に注意する。
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