無花粉スギの苗木だけを量産する革新的技術を開発 森林総合研究所2022年3月3日
森林研究・整備機構森林総合研究所、新潟大学、新潟県森林研究所、株式会社ベルディの研究グループは、無花粉スギを簡易にDNA鑑定で識別する方法を取りまとめて公開。また、DNA鑑定と組織培養により無花粉スギ苗だけを量産する技術を確立し公開した。無花粉スギの苗木供給方法を開発することで花粉症対策に貢献する。
無花粉スギ実生苗生産の一般的な方法(左)と今回開発した方法
同研究グループは、無花粉スギの判別と量産法を確立しマニュアルとして公開した。未熟種子を培養し、無花粉スギの原因となる遺伝子(MS1)を目印として選別して用いることで、生産する苗木を全て無花粉スギにすることが可能。さらに、組織培養技術を活用することで試験生産にとどまらず、商業規模での大量生産も可能になる。
花粉を飛散しない無花粉スギ実生苗は、人工交配により生産されてきたが、その苗木の約半数は花粉を飛散するスギとなるため、無花粉性の確認に2〜3年を要していた。そこで同研究グループは、MS1遺伝子をPCRで簡易に判定する技術と、未熟種子を用いた組織培養により植物体を増殖させる手法とを組み合わせることで、無花粉スギを数か月で選び出し、その苗だけを大量生産する技術を確立した。公開するマニュアルはこれらの技術を多くの人が使えるようにわかりやすく、かつ具体的に解説したもの。この成果は、スギ花粉の発生源を絶つというスギ花粉症の根本的な解決策に貢献する。
マニュアルと関連研究論文は、2月に森林総合研究所のウェブサイトと『Frontiers in Plant Science誌』でオンライン公開された。
未熟種子組織からの無花粉スギの増殖
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