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意図せず侵入する外来植物の侵入個体数と定着成功との関係を解明 京都大学2022年3月9日

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京都大学大学院農学研究科の下野嘉子准教授、池田茉史 同修士課程学生、西健志 同修士課程学生と農研機構 植物防疫部門グループ長補佐の浅井元朗氏らの共同研究グループは、意図せず侵入する外来植物の侵入個体数と定着成功との関係を解明した。

輸入コムギから見つかった混入種子(左)、春と秋の植生調査で記録された各種の分布パターンと混入率との関係輸入コムギから見つかった混入種子(左)、春と秋の植生調査で記録された各種の分布パターンと混入率との関係

日本はトウモロコシ、コムギ、オオムギ、ソルガムなど毎年約2500万トンの穀物を海外から輸入している。輸入穀物の中には、輸出国の農耕地で生育していた様々な雑草種子も混入しているが、輸入穀物に混入して侵入する外来植物には農業害草となる種類も多い。侵入初期に発見してその盛衰を追跡すれば、外来植物の効果的な予防管理にも役立つ。

同研究グループは、全国の国際貿易港20港で春と秋に植生調査を行い、穀物の輸入量が多い港(穀物輸入港)と穀物を輸入していない港(非穀物輸入港)の植物の組成を比較。さらに、穀物輸入港で多く見られた種が輸入穀物にも多く混入しているのかを検証した。

各港の植物の種組成の類似度を計算して分類したところ、調査した20港は、北から南まで緯度に沿った違いがあることを確認した。さらに、穀物輸入港と非穀物輸入港間で植物の組成が異なることも示され、港湾周辺に生える植物の種組成は、気候の違いに加えて穀物輸入港か否かによる影響も強く受けていた。

植生調査の結果と輸入穀物への混入率との関係を調査した結果、穀物への混入量が多い種ほど穀物輸入港に偏って生育している傾向が認められ、穀物輸入港周辺での外来植物の定着には、輸入穀物への混入量が強く影響していることが示された。

同研究成果は2月17日、国際学術誌『BiologicalInvasions』のオンライン版に掲載された。

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