タマネギべと病 県内全域で発生 佐賀県2022年3月17日
佐賀県農業技術防除センターは、タマネギべと病の発生を県内全域で確認。これを受け、3月15日に病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
定期調査圃場におけるべと病一次感染株の発生(3月14日撮影)(写真提供:佐賀県)
佐賀県は、タマネギべと病について、3月7日付の病害虫対策資料第12号を発表し、注意喚起を行ってきたが、一次感染株の発生がさらに増加。二次感染のリスクが高まっており、3月は同病の主要な感染時期に入っている。
3月14~15日に行った、県内のマルチ栽培8圃場(早生品種主体)の定期調査では、べと病の一次感染株の平均発生株率は0.81%で、過去5か年平均(0.09%)より高く、発生圃場率は88%だった。また、一部の圃場では、二次感染株がみられた。また、同県内の露地栽培10圃場(中晩生品種主体)の定期調査では、一次感染株の平均発生株率は1.09%で、過去5か年平均(0.29%)より高く、発生圃場率は80%だった。
気象解析の結果、同病菌の感染・準感染好適条件が3月12日~14日に出現。今後、約2週間の潜伏期間を経て、さらに発病が増加する可能性がある。さらに、九州北部地方の1か月予報(福岡管区気象台3月10日発表)では、天気は数日の周期で変わると予想されているため、曇雨天等の感染に好適な気象条件が出現した場合は、さらに感染が助長されると予想される。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
一次感染株に形成された分生胞子によって、タマネギが二次感染する。現在、二次感染のリスクが高まっていることから「一次感染株の抜き取り」と「薬剤防除による二次感染の予防」の両方の対策を徹底する。
〇一次感染株の抜き取り
各地域で一次感染株の発生が増加していることから、圃場の見回りをこまめに行い、発生を認めた場合には直ちに抜き取る。抜き取った株は圃場に放置せず適切に処分する。
〇薬剤防除による二次感染の予防
最新の気象予報や各地域の防除暦に基づいて、薬剤による降雨前の予防散布を徹底する。防除対策の詳細については、佐賀県病害虫防除のてびき〈麦類・野菜・花き・飼料作物〉も参照する。
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