【防除情報】せん孔細菌病(もも)の発生に注意 大阪府2022年3月23日
大阪府環境農林水産部農政室推進課病害虫防除グループは、せん孔細菌病(もも)の発生に注意を呼びかけている。
葉の病斑
(写真提供:大阪府植物防疫協会)
近年、大阪府内のもも産地で、せん孔細菌病の発生が増加。2021年7月下旬の巡回調査では、発病葉率は22%と過去10年間の同時期の平年値(17%)と比べてやや高かった。昨年せん孔細菌病が発生している園地では、今年も発生に注意が必要となる。
同病の病原菌は、落葉痕部や枝の組織内において潜伏状態で越冬し、春になり気温が上昇すると増殖して春型枝病斑を形成し、その年の伝染源となる。春型枝病斑は、開花期から落花期にかけて結果枝の表面に認められるようになる。風雨によって病原菌が分散し感染が拡大。葉や果実の傷口や気孔から病原菌が植物体内に侵入し感染する。病原菌は気温10~35℃で繁殖可能である。25℃前後が最も繁殖しやすい。
同病害虫防除グループでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇枝に形成される病斑の除去は、感染拡大を防ぐうえで非常に重要。開花後に春型枝病斑を見つけた場合は、早急に健全部を含めて大きめに取り除き、園外で適切に処分する。
〇地域の防除暦などを参考に登録農薬を散布する。生育期の薬剤散布は10日間隔で実施する。降雨前のタイミングで散布すると効果的。
〇風当たりの強い園地では、防風ネットを設置するなどの対策を行う。
〇収穫後もせん定等で発病部位を取り除き、発病の多い園地では必ず秋期防除を実施する。秋期防除は登録のある無機銅剤等を、できれば9月以降に2週間間隔で計3回散布する。
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