鶴岡高専の研究成果が「AgriEngineering」誌に掲載 収穫時期予測で省力化など期待2022年5月20日
鶴岡工業高等専門学校(山形県鶴岡市)専攻科2年の皆川大地さん、金帝演准教授による論文「Prediction of Harvest Time of Tomato Using Mask R-CNN」が、MDPI国際学術誌『AgriEngineering』に掲載された。
収穫時期予測の流れ(入力画像→果房検出→ノイズ除去→収穫時期予想の分類)
同研究は、トマト果房ごとの収穫時期予測手法を提案するもの。収穫時期予測を実現するために、様々な研究が盛んに行われており、気温、日射量などの気象情報を利用した収穫時期予測方法、果房画像の色情報を用いたニューラルネットワークによる収穫時期予測方法などが検討されている。しかし、収穫予測精度がまだ不十分で、トマト果房ごとの収穫時期予測について検討されていない。
同研究では、Mask R-CNNを用いてトマト果房を検出し、検出されたトマト果房画像の中のノイズ(蔕、葉、枝など)を除去し、2種類の熟度判別式を用いてトマト果房毎の収穫時期を予測する。実験結果により、収穫時期が近いトマトについては、赤色(R)の割合を用いた予測の正確度が高く、一方、収穫時期まで時間のあるトマトの場合は、緑色(G)と赤色(R)の差分を用いた予測の正確度が高いことが示された。以上の結果から、同手法の有効性が示され、農業分野における省力化、人件費削減などが期待される。
同研究は、鶴岡工業高等専門学校専攻科2年の皆川さんを中心として行われた。皆川さんは、本科生の頃から気象観測コンテストへの参加や、JA全農山形との共同研究によるKOSEN版ウェザーステーションを開発。また、農業従事者に気象情報を提供するなど、精力的に活動してきた。本科5年生時から、積極性と粘り強さを発揮して研究に取り組み、発表した論文が欧州の学術誌に掲載されるなど成果を上げている。今年度は、大学院修士1年となり、大学院での更なる研究の発展が期待される。
トマトの収穫予測が当日と分類された例
収穫時期予測結果の例
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