【注意報】果樹を加害「チャバネアオカメムシ」の多発生を予測 茨城県2022年5月31日
茨城県病害虫防除所は、ナシ、カキ、リンゴ、ブドウ等の果樹類にチャバネアオカメムシの多発生を予測。これを受け、5月27日に病害虫発生予察注意報第2号を発令した。
サクラ樹上のチャバネアオカメムシ(写真提供:茨城県病害虫防除所)
2月中旬に県内42地点で行ったチャバネアオカメムシ成虫の越冬調査における、越冬数は、平年並~やや多く(本年値2.7頭、平年値2.2頭)。越冬地点率は平年よりやや高い(本年値67%、平年値40%)だった。5月下旬現在、笠間市のサクラ果実におけるチャバネアオカメムシの生息数は平年より多い。
また、5月下旬現在、県内ナシ調査ほ場の被害果率(本年値0.03%、平年値0.01%)は平年よりやや高く、発生地点率(本年値10%、平年値1%)は平年より高い。さらに、5月第5半旬現在、かすみがうら市の果樹園内に設置した予察灯のチャバネアオカメムシ誘殺数は、平年より多く、誘殺時期はやや早い。
ナシを加害するチャバネアオカメムシ(写真提供:茨城県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇笠間市におけるカメムシ類に吸汁されたサクラ果実の割合は5月下旬で87%(平年64%)となっており、今後、餌を求めて果樹園へ飛来する可能性があるので注意する。
〇多目的防災網(6mm目または9mmクロス目等)はカメムシ類の園内への侵入を防ぐため、被害軽減に有効。
〇カメムシ類は夜温が高くなると活動が活発になるため、果樹園への飛来に注意する。果樹園内でカメムシ類を確認した場合は、表1を参考に活動の鈍い早朝に薬剤防除を行う。
〇いずれの薬剤(表1)も、直接虫体にかかれば殺虫効果は高い。殺虫効果の持続期間はネオニコチノイド系薬剤、ピレスロイド系薬剤で5~10日程度、有機リン系薬剤で2~3日程度。
〇ピレスロイド系薬剤は、カメムシ類に対して効果が高いが、天敵類に及ぼす影響も大きく、かえってハダニ類やカイガラムシ類の多発生を招くおそれがあるので注意する。
表1:カメムシ類に登録のある主な薬剤(5月20日現在)
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