【注意報】茶にチャノミドリヒメヨコバイ 県内全域で発生 熊本県2022年6月9日
熊本県病害虫防除所は、茶にチャノミドリヒメヨコバイが県内全域で平年より多発することを予想。これを受け、6月2日に病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
チャノミドリヒメヨコバイ成虫(体長約3ミリ)(写真提供:熊本県病害虫防除所)
5月中旬に実施した巡回調査では、被害芽数7.6個/㎡(平年1.4個/㎡、前年0.6個/㎡)と平年比で多発生。また、茶業研究所(御船町)のたたき落とし調査では、5月第5半旬の捕獲頭数が10か所で13頭(平年4頭/10か所、前年6頭/10か所)と平年比で多発生だった。
福岡管区気象台が5月26日に発表した九州北部地方1か月予報によると、向こう1か月の気温は平年並か平年より高い予想で、今後も同害虫の増殖に好適な条件が続くことが予想される。
チャノミドリヒメヨコバイ老齢幼虫(体長約2ミリ)(写真提供:熊本病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
二番茶の被害(新葉の褐変・落葉)(写真提供:熊本病害虫防除所)
この害虫は成虫、幼虫とも新芽や新梢を吸汁加害。萌芽期から開葉期に被害を受けると葉の褐変や萎縮が発生し、落葉を引き起こす。更新園や幼木園等、常に新梢がある場合は被害が大きくなりやすく、また増殖場所にもなりやすいため、特に発生に注意し、以下の防除対策を行う。
〇萌芽期から1葉開葉期に薬剤散布による防除を実施する。発生が多い場合、摘採を行う茶園では早めに摘採を行い、不摘採の茶園および幼木園では1回目の防除の約2週間後に異なる系統の薬剤で、新たなふ化幼虫を対象とした追加防除を実施する。
〇薬剤散布の際には、すそ部を含め、新芽や新梢にもムラなく薬剤が行き渡るように十分な量を散布する。また、薬剤抵抗性の発達を防ぐため、系統の異なる薬剤のローテーション使用を行う。
〇農薬を使用する際はラベルをよく確認し、使用基準(収穫前使用日数や希釈倍数等)を遵守する。
〇天敵への影響を最小限に抑えるため、選択性の高い農薬の使用を心掛ける。近隣のほ場へのドリフト及びミツバチや魚介類等、周辺動植物や環境に影響が無いよう、飛散防止を徹底し、危害防止に努める。
〇二番茶摘採後は、剪枝等耕種的防除により、次世代の発生密度の低減に努める。
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