NEDO事業に採択「サトウイネ」によるバイオエネルギー創出へ研究を加速 グランドグリーン2022年6月13日
名古屋大学発ベンチャーのグランドグリーンは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の、2022年度「研究開発型スタートアップ支援事業/地域に眠る技術シーズやエネルギー・環境分野の技術シーズ等を活用したスタートアップの事業化促進事業」に採択。約1.2億円を上限に助成される資金により、同社独自のゲノム編集技術を応用し、持続可能なバイオエネルギー創出に向けた研究開発を行なう。
サトウイネの生成メカニズム(Honma et al.(2020), Comm. Biol.より一部抜粋)
グランドグリーンは次世代の食農を創造する研究開発型のアグリバイオスタートアップ。食農分野を取り巻く様々な課題に対するソリューションとして、独自の異科接木技術やゲノム編集技術など最新の知見を組み合わせ、新しい作物と生産のあり方を種苗分野から提案する。
世界のバイオエタノール原料の生産地は、ブラジル・米国に大きく依存しており、国内のバイオエタノール普及率・生産量は極めて低い。こうした状況の中、笠原竜四郎博士(名古屋大学博士研究員)、桑田啓子特任助教(名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所)、野田口理孝准教授(名古屋大学生物機能開発利用研究センター、弊社取締役)らのグループは、イネが受精に失敗すると米粒の代わりに高純度の砂糖水を生成することを発見した。
一方、同社はこれまで、先端テクノロジーで植物のポテンシャルを最大限引き出し、世界に貢献することを目的に、従来の手法ではゲノム編集の実施が難しかった作物品種に対しても応用可能な汎用的ゲノム編集技術gene Appの開発に取り組んできた。
同社のゲノム編集技術を応用することで、実用的なサトウイネ栽培品種の作出が可能になる。将来、このサトウイネの栽培および高純度のショ糖液の生産を行うことで、国産の原料を活用した安定的・効率的なバイオエネルギー創出をめざす。イネは亜寒帯から熱帯まで栽培が可能であり、これは「サトウイネ」が、日本だけではなく世界各地の広範囲で栽培できることを示唆している。
サトウイネによる持続可能で低リスクなバイオエネルギー創出を目的に、今年度は「実用的な高収量サトウイネ系統の作出」に向けて研究開発を行い、次年度以降、試験栽培・商業栽培に向けた研究活動を行う予定。同事業の開発に際しては、サトウイネの開発者である笠原博士(名古屋大学)と共同で取り組む。
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