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【注意報】たまねぎでネギアザミウマ多発 ねぎ、あぶらな科野菜も注意 北海道2022年6月21日

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北海道病害虫防除所は、たまねぎでネギアザミウマの発生が全道で多くなると予測。これを受け、6月20日に病害虫発生予察注意報第2号を発令した。

長沼町と訓子府町のたまねぎ予察ほ場で、ネギアザミウマの成虫および幼虫の初発が平年よりやや早く確認されており、6月3半旬には成虫寄生密度と寄生株率も高まっている。

6月16日発表の1か月予報によると、降水量はやや多いものの気温は高い見込みで、特に6月24日までの1週間は気温が高い確率60%と予報。すでに寄生株率が高く、幼虫密度はまだ低いものの急激に寄生密度が上昇する危険性が高い。

たまねぎでの薬剤防除開始の目安は、ほ場を観察してほぼ全ての株にわずかな食害が認められた状態だが、すでに防除が必要な食害状況に達しているほ場も多くなっていると考えられる。そのようなほ場では直ちに防除を開始する必要がある。

ねぎでは通常7月中下旬以降に密度が上昇して8~9月には高密度になるが、高温経過で密度上昇が急激に進み6月下旬から7月上旬に防除が必要な密度に達することもある。ほ場を観察し防除の開始が遅れないように注意する。

キャベツ、はくさい、ブロッコリーなどのあぶらな科野菜およびアスパラガスも、ねぎと同様に密度が高まりやすい作物。あぶらな科野菜では定植直後から生育前半に成虫の飛び込みが多いと著しい被害が発生する。また、キャベツでは外観からは確認しにくい結球部被害が発生することがあり、多発条件では同種を対象とした薬剤防除が必要。アスパラガスでは、若茎被害が発生する立茎栽培で特に注意が必要。

このほか道内では、レタス、ばれいしょ、ほうれんそうでも被害事例が確認されている。レタスではキャベツと同様に結球内被害が発生することがあり、外観からは被害が確認できないので注意が必要。また、近年道内の広い範囲においてピレスロイド剤に対する抵抗性のネギアザミウマが確認されているため、薬剤選択の際は注意する。

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

(1)近年道内の広い範囲においてピレスロイド剤に対する抵抗性のネギアザミウマが確認されているため、薬剤選択の際は注意する。いずれの作物においても同一系統薬剤を連用しない。

(2)たまねぎやアスパラガスなど本種の発生が多い作物に近接したほ場では、飛び込みが多く被害が発生しやすい。特に、たまねぎの倒伏期から収穫期にかけては、密度上昇が急激に進む危険性が高いため、ほ場を観察して早めの薬剤散布を実施する。

(3)たまねぎ
①ほぼすべての株にわずかな食害が認められたら、直ちに薬剤防除を開始する。
②効果の高い薬剤(プロチオホス剤、スピネトラム剤(2500倍)、フロメトキン剤、フルキサメタミド剤)を10日間隔で散布する。
③中晩生品種では7月20日以降の散布を最終散布とする。

(4)ねぎ
①収穫30日前までは、上位3葉の株あたり寄生頭数が10頭を上回る場合は薬剤防除をおこなう。
②収穫30日前から、効果の高い薬剤(スピネトラム剤、フロメトキン剤、トルフェンピラド剤、プロチオホス剤、フルキサメタミド剤)を7日間隔で散布する。
③散布間隔が10日程度に開くと防除効果が劣る場合があるため、降雨などで予定日に散布できない危険性がある場合は、前回散布5日後程度に臨機防除剤(ピリダリル剤、アバメクチン剤、ニテンピラム剤)を散布する。
④臨機防除剤を散布した場合は、その5日後に②に上げた効果の高い薬剤を散布する。

(5)キャベツ
①クロラントラニリプロール・チアメトキサム剤、シアントラニリプロール剤、イミダクロプリド・スピノサド剤のセル苗灌注をおこなう。
②定植3週間後から効果の高い薬剤(フィプロニル剤、スピネトラム剤、フロメトキン剤、トルフェンピラド剤、フルキサメタミド剤)を7日間隔で散布する。
③薬剤散布は収穫7日前、またはネギアザミウマのほ場への飛び込みが認められなくなるまで継続する。
④防除にあたっては、他害虫の発生も考慮して、効率的な防除をおこなう。

(6)アスパラガス
①立茎栽培では、若茎被害を防止するため効果の高い薬剤(アセタミプリド剤、クロチアニジン剤、スピノサド剤、ジノテフラン剤、チオシクラム剤、フロメトキン剤)を7日間隔で2回散布する。散布前に擬葉のトリミングをおこなうと防除効果が高まる。
②施設栽培では、ハウス被覆資材に近紫外線除去フィルムを用いると侵入抑制効果が高い。

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