スマート農業で離農を防ぐ 九州大学と共同研究を開始 ニチリウ永瀬2022年6月28日
農業資材・家庭園芸用品・飼肥料原料を中心に扱う専門商社のニチリウ永瀬(福岡市博多区)と九州大学大学院農学研究院は、誰もが農業に参入しやすくなる未来に向けて共同研究を開始。まずは、「キュウリの自動栽培システム」の開発に着手し、ナス、ピーマン、メロン、イチゴなど施設栽培の野菜全般に活用していく。
プロジェクトメンバー(九州大学農学部附属農場)
日本の食を支える農業経営体は、2020年の調査では約107万件で、2015年の調査から30万件ほど減少。また、少子高齢化や都市部への人口集中で農業の担い手が育たず、新規就農者の約4割は5年以内に離農するなど、長年培われた生産技術が途絶え、安定的な食糧の確保が難しくなりつつある。
ニチリウ永瀬研究農場(福岡市西区今津 9月末完成予定)
こうした課題を解決するには労働力を軽らしながら安定的に収穫し、一定価格で市場へ供給できる営農環境が必要不可欠となることから、共同研究では、低コストで収量を倍増させるキュウリの自動栽培システムを開発。AIがキュウリの収穫量を減少させる要因を早期に特定し、自動で空調管理、施肥、水やりを行うシステムを開発する。現在普及しているビニールハウスに低コストで設置でき、収穫量を現在の平均反収より倍増(50t/10a以上)させることを目標にしている。研究は、4月1日から開始。九州大学農学部附属農場とニチリウ永瀬研究農場で行われ、令和5年度にはAIへのラーニングを始め、自社システムの開発に着手する。
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