【注意報】桃などに果樹カメムシ類 府内全域で多発のおそれ 大阪府2022年7月7日
大阪府環境農林水産部農政室は、もも、なし、かき、ぶどう、みかんなどに果樹カメムシ類が府内全域で多発のおそれがあるとして、7月6日に病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
6月下旬におけるチャバネアオカメムシのフェロモントラップ誘殺頭数が、全ての果樹カメムシ類フェロモントラップ調査地点で、平年値の3.04.3倍と大きく上回った。6月30日発表の大阪管区気象台の近畿地方1か月予報では、向こう1か月の気温は高い確率が50%で、果樹カメムシ類の果樹園への飛来が多くなると予想される。
果樹を加害する果樹カメムシ類には、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシ等があり、大阪府内で確認される果樹カメムシ類の大半はチャバネアオカメムシ。
果樹カメムシ類の主なえさは、夏期のスギやヒノキ等の球果で、果樹園でも産卵は行われるが、成虫までは発育しない。スギ等の球果が多い年は夏に個体数が増え、えさが不足すると秋に果樹園に飛来して果実を吸汁し、落果や奇形果等の被害が増える。また、越冬密度が高いと、春から夏にかけて果樹園に飛来して果実を吸汁し、落果や奇形果等の被害をもたらす。
ももなどの核果類や、なし、かき等が被害を受けやすい。多発するとぶどう、かんきつ類にも被害が及ぶことがある。袋かけをすると被害を軽減できるが、果実の肥大に伴って果実袋と果実が密着すると、果実袋の上から吸汁されることもある。また、果樹カメムシ類の果樹園等への飛来は日没後の2~3時間が中心となる。
大阪府環境農林水産部農政室では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)果樹カメムシ類の発生量や時期には地域や園地で差がある。カメムシ類の活動が活発になる夕方に園内を見回り、飛来を確認したら、速やかに薬剤散布を行う。薬剤散布後も園内を確認し、再度飛来を確認した場合は、追加の散布を行う。薬剤散布に当たっては、収穫前日数や使用回数に十分注意する。
(2)果樹カメムシ類に有効な薬剤は、有機リン系薬剤、ピレスロイド系薬剤、ネオニコチノイド系薬剤など。多発時には、残効性が比較的高いピレスロイド系薬剤、ネオニコチノイド系薬剤を中心に散布する。
(3)ピレスロイド系薬剤は果樹カメムシ類への効果は高いが、天敵類への影響も大きい。連用するとハダニ類やカイガラムシ類の多発を招くことがあるため、なるべく連用を避ける。
(4)薬剤散布は夕方か早朝に行うと効果的。
(5)チャバネアオカメムシに対しては、黄色灯は忌避効果があるため、設置している園地では早急に点灯する。ただし、チャバネアオカメムシ以外には効果がないため、光源近くや園内でクサギカメムシやツヤアオカメムシを確認した場合は薬剤散布を行う。
(6)果樹園全体に目合い4ミリ以下のネットを被覆することで侵入を阻止する。
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