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【特殊報】サツマイモ基腐病 県内で初めて発生を確認 岡山県2022年7月15日

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岡山県病害虫防除所は6月17日、サツマイモ基腐病の発生を県北部で確認。これを受け、7月15日に病害虫発生予察特殊報第4号を発令した。岡山県でサツマイモ基腐病の発生の確認は初めて。

圃場における発病株(生育不良株)(写真提供:岡山県病害虫防除所)圃場における発病株(生育不良株)(写真提供:岡山県病害虫防除所)

6月に県北部のサツマイモを栽培している家庭菜園で、葉の赤変や黄変、地際部の茎が暗褐色~黒色に変色し生育不良となる症状が発生した。病害虫防除所で、LAMP法による検査で陽性が確認されたため、農研機構植物防疫研究部門に診断を依頼した結果、岡山県では未確認のサツマイモ基腐病と判明した。

国内では、2018年に沖縄県で初めて発生が確認され、その後、計26都道県で発生が確認。近隣では、広島県、鳥取県、愛媛県、高知県、徳島県、兵庫県で報告されている。

発病初期は、葉が赤変・黄変し、生育不良の株が認められ、 茎の地際部が暗褐色から黒色に変色し、症状が進行すると枯死する。発病が塊根まで拡大すると、なり首側から塊根が褐色から暗褐色に腐敗。塊根は収穫時に無病徴でも、貯蔵中に腐敗することがある。

株元の黒変した茎(写真提供:岡山県病害虫防除所)株元の黒変した茎(写真提供:岡山県病害虫防除所)

発病株の表層には多数の柄子殻が形成され、降雨等により内部から大量の胞子が漏出。胞子は激しい風雨や圃場の停滞水によって移動し、周辺の健全株に感染する。同菌の宿主植物はヒルガオ科植物(主にサツマイモ)のみで、病原菌が感染した塊根(種イモ)や感染苗で伝搬する。また、罹病残渣で越冬し翌年の一次伝染源となる。

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

(1)同病の未発生圃場で生産された健全種苗を確保し、未消毒の苗は、植付け前に本病に登録
のある薬剤で消毒を行う。採苗する場合は、腐敗や傷のない健全な種いもを使用し、採苗当日に苗消毒する。採苗時のハサミはこまめに消毒をする。

(2)植付け前に土壌消毒を実施する。

(3)発病株(茎葉や塊根)は伝染源となるため、速やかに抜きとり、圃場外に持ち出して適切に処分する。 その後、周辺株への感染予防のため、本病に登録のある薬剤を散布する。また、発生圃場では収穫後、圃場から可能な限りサツマイモの残さ(茎葉を含む)を速やかに除去する。

(4)同病は排水が不良な場所で発病しやすいため、植付け前に圃場の排水対策を行う。

(5)同病が発生した圃場で使用した資材や機材、長靴などを別圃場で使用する際は、消毒や洗浄を十分に行う。

(6)前作で本病が発生した圃場では、サツマイモ及びヒルガオ科植物以外の植物を2年程度輪作または休耕する。

(7)詳細な防除対策は、農研機構生研支援センターイノベーション創出強化研究推進事業令和3年度版マニュアル「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策」を参照する。

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