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【特殊報】ナスフザリウム立枯病 県内のナス栽培ほ場で確認 福岡県2022年8月12日

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福岡県病害虫防除所は、ナスフザリウム立枯病の発生を県内のナス栽培ほ場確認。これを受け、8月10日に病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。

株元に発生した赤褐色の小斑点・ナスフザリウム立枯病により枯死した株(写真提供:福岡県農林業総合試験場)株元に発生した赤褐色の小斑点・ナスフザリウム立枯病により枯死した株(写真提供:福岡県農林業総合試験場)

2021年12月から今年5月に、県内のナス栽培ほ場で、新葉が萎縮し、株元に赤い小粒が生じ、症状が進むと枯死する株が見られた。福岡県農林業総合試験場で分離培養を行ったところ、Fusarium属菌が分離され、門司植物防疫所に同定を依頼した結果、ナスフザリウム立枯病菌と確定された。

同菌は、トマト立枯病を引き起こす病原菌として知られていたが、高知県の施設栽培ナスで、萎凋・枯死症状を示す事例が確認され、2012年に「ナスフザリウム立枯病(仮称)」として特殊報が発出された。今年7月時点で、特殊報は高知県のみから発出されている。

病徴としては、葉の黄化や萎れが発生し、症状が進むと枯死することもある。株の地際部の表皮には、ひび割れや陥没が認められ、赤い小粒(子のう殻)が形成されることが多い。枝に発生する場合もあり、枝の表面が黒色に変色し、発病部から先は枯死する。

子のう殻の拡大図(写真提供:福岡県農林業総合試験場)子のう殻の拡大図(写真提供:福岡県農林業総合試験場)

糸状菌の一種で子のう菌類に分類される。子のう殻中に子のう胞子を形成する他、分生子と厚膜胞
子を形成する。生育適温は25~30度で高温多湿条件を好むと考えられる。

土壌中などの罹病残渣に付着している病原菌が伝染源となり、発病後は形成された分生子や子のう胞子の飛散により、二次伝染が起こると考えられる。

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

(1)太陽熱利用等による土壌消毒を実施し、第一次伝染原となる病原菌密度を低下させる。

(2)過度の潅水を避けるとともに、暗きょなどを設けてほ場の排水を良くする。

(3)発病株は伝染源となるため、発見後は直ちに取り除き、ほ場内や周辺に放置せず適正に処分する。

(4)発生ほ場では、生育初期からの定期的な防除に努める。登録農薬は、農林水産省の農薬登録情報提供システム等を参照。

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