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【注意報】シロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2022年8月22日

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兵庫県病害虫防除所は、シロイチモジヨトウが県内全域で多く発生するおそれがあるとして、8月19日に病害虫発生予察注意報第3号を発令した。

シロイチモジヨトウによる被害(左からネギ、キャベツ、カーネーション)(写真提供:兵庫県病害虫防除所)シロイチモジヨトウによる被害(左からネギ、キャベツ、カーネーション)(写真提供:兵庫県病害虫防除所)

県内3カ所に設置しているフェロモントラップにおいて、6月以降、平年を上回る誘殺が認められている。7月から8月2半旬の合計誘殺数は、加西市で193頭(過去10年平均69.9頭)、南あわじ市で691頭(過去8年※平均252.0頭)、朝来市で65頭(過去5年※平均22.3頭)と平年の約3倍となっている。

7月下旬に淡路地域のネギほ場で実施した調査では、幼虫の発生ほ場率は50.0%(4/8ほ場)で、昨年(14.2%)や一昨年(20.0%)と比較して早い時期から広く発生が認められている。8月中旬の調査では、幼虫の発生ほ場率は76.9%(10/13ほ場)で、寄生株率が80%を超えるほ場も認めている。

シロイチモジヨトウの卵塊と孵化直後の幼虫(写真提供:兵庫県病害虫防除所)シロイチモジヨトウの卵塊と孵化直後の幼虫(写真提供:兵庫県病害虫防除所)

現時点で、ネギの他にも、ピーマン(淡路地域)、トルコギキョウ(神戸地域)、カーネーション(淡路地域)やダイズ(播磨地域)など様々な作物で幼虫の発生を認めている。

シロイチモジヨトウは例年9月以降に発生の最盛期を迎える。特に野菜類と花き類では今後、秋作の育苗や本圃への定植が盛期となることから、被害が拡大すると予想される。

大阪管区気象台が8月11日に発表した近畿地方の1か月予報によると、気温は平年より高く推移。シロイチモジヨトウの活動に好適な条件が続くと予想される。

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

〇加害作物は、キャベツ、ハクサイ、ネギ等の野菜類から、カーネーション、キク等の花き類、ダイズ、アズキ等の豆類と広範囲におよぶ。
〇卵は鱗毛で覆われた卵塊で産み付けられ、孵化直後の若齢幼虫は集団で加害する。卵塊や分散する前の若齢幼虫の早期発見に努め、速やかに捕殺する。
〇成虫の産卵防止対策には防虫ネット(目合4ミリ以下)、黄色防蛾灯、性フェロモン剤(交信かく乱剤)の利用が有効。
〇中・老齢幼虫には殺虫剤の効果が低くなるため、薬剤防除は若齢幼虫期に行う。ほ場間差はあるが、2018年から実施している薬剤感受性検定において、一部のジアミド系薬剤の殺虫効果が低い事例を認めている。使用にあたっては散布前と散布後(1~3日後)の状況を観察するなど、防除効果の確認に努める。防除薬剤については、兵庫県農薬情報システムを参考に選定し、農薬使用基準を遵守すること。
〇シロイチモジヨトウの近縁種で、野菜類・花き類・豆類の重要害虫であるハスモンヨトウも今後、発生の最盛期を迎えるため、各ほ場での発生状況に注意する。

中・老齢幼虫(体色は黄緑色~黒褐色と多様)(写真提供:兵庫県病害虫防除所)中・老齢幼虫(体色は黄緑色~黒褐色と多様)(写真提供:兵庫県病害虫防除所)

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