イネのカドミウム集積を抑制する遺伝子を同定 低カドミウム集積イネの育成に成功 岡山大学2022年8月25日
岡山大学資源植物科学研究所の馬建鋒教授らのグループは、イネのカドミウム低集積の分子機構を解明し、カドミウム低集積イネの育成に成功した。同研究成果は8月19日(日本時間)、『Nature Food』誌のOnline版で公開された。
カドミウムはイタイイタイ病などを引き起こす有毒の重金属。現在でも都市化や工業化によって世界の多くの土壌がカドミウムに汚染され、基準値を超える作物が生産されており、人が摂取するカドミウムの半分近くはコメに由来する。
同研究では、イネのカドミウム集積の品種間差を利用して原因遺伝子の単離を行ったところ、インドで3000年前から栽培されている在来品種のカドミウム低集積性は、根で発現するカドミウム/マンガン輸送体遺伝子OsNramp5が重複していることに起因することを突き止めた。また、繰り返し交配でこの遺伝子をコシヒカリに導入したところ、収量と食味には影響せず、カドミウム集積が大きく低下したイネができた。
馬教授は「この研究には10年以上の月日がかかり、最近になってやっとイネのカドミウム低集積メカニズムの謎を解くことができ、大変うれしく思います。多くの共同研究者のご協力に感謝し、この発見が今後カドミウムの少ない安全なイネ品種の育種に役立つことを心待ちにしております」と話している。
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