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多収で病害に強い耐塩性ダイズ新品種を開発 塩害農地で安定生産へ 国際農研2022年9月9日

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国際農研は、耐塩性遺伝子Nclを導入した耐塩性ダイズの新品種「蘇豆27(sudou27)」を国際共同研究で開発。耐塩性に加え、多収性、高品質、病害抵抗性を備えた優良品種で、塩害地域におけるダイズ生産の安定化に期待できる。

「蘇豆27」の種子(左)と成熟期の個体「蘇豆27」の種子(左)と成熟期の個体

国際農研は、世界の不良環境地域における農業生産の安定化をめざす研究の一環として、中国やベトナム、インドを対象に、耐塩性遺伝子を応用する作物開発を進めている。このほど、国際農研が発見した遺伝子Ncl を用いて、中国江蘇農業科学院との共同研究により、中国沿岸部の塩害地域で栽培可能なダイズが開発された。

「蘇豆27」は、中国国内のダイズ需要量の高まりを受け、主に食料油の原料に利用されることを目的に開発された耐塩性ダイズ品種。中国のダイズ中間母本系統を母、国際農研がブラジルのダイズ品種から見出した耐塩性遺伝子Ncl を持つ系統を父とする人工交配で得られた雑種後代をもとに、中国で世代促進や優良系統選抜などを実施した。その高い子実収量と塩害耐性、病害抵抗性により、現地の新品種審査委員会は優良性を認め、8月29日に中国で品種登録した。

新品種育成の成功により、基礎研究の成果である耐塩性遺伝子を応用したダイズの育成に活路が開かれ、農地の塩害問題を抱える地域でのダイズ生産の安定化が期待される。

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