【特殊報】ネギハモグリバエB系統 県内で初めて確認 長崎県2022年9月20日
長崎県病害虫防除所は、ねぎにネギハモグリバエB系統の発生を県内で初めて確認。これを受けて、9月16日に病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
被害の発生状況(写真提供:長崎県病害虫防除所)
7月に島原地域の露地栽培ネギほ場で、ハモグリバエ類による激しい食害が発生し、葉の白化症状が認められた。被害様相が、従来のネギハモグリバエの被害と異なっており、他都府県で発生が認められているネギハモグリバエB系統によるものと類似していたことから、採集した幼虫を病害虫防除所で羽化させ、農研機構の野菜花き研究部門に遺伝子解析を依頼。その結果、従来の系統(以下A系統)とは異なるB系統と同定された。
B系統は、2016年に京都府で初めて確認され、これまでに本州、四国、九州の33都府県から特殊報を発表。九州では、福岡県、佐賀県、大分県、鹿児島県で確認されている。
成虫の体長は2~3ミリで胸部と腹部は黒く、その他の部分は淡黄色。幼虫はうじ虫状で、成長すると体長約3~4ミリに達する。蛹は体長約3ミリで褐色、俵状)で、形態によるA系統とB系統の識別は難かしい。
ネギハモグリバエ成虫・蛹(写真提供:長崎県病害虫防除所)
生態としては、成虫が葉の組織内に産卵し、ふ化した幼虫は葉の内部に潜り込んで葉肉を食害。幼虫は成長すると葉から脱出し、地表面または土中で蛹になる。
B系統は、A系統と同様に幼虫が葉に潜り込んで葉肉を食害し、不規則な白線状の食害痕を形成する。A系統に比べて1葉当たりの寄生虫数が多く集中的に加害するため、食害が進展すると食害痕同士が合わさり、葉が白化症状を呈する。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇両系統は、形態での識別は困難であるため、ハモグリバエ類の被害を認めたら、ネギハモグリバエまたはハモグリバエ類に登録のある薬剤による発生初期の防除を徹底する。なお、薬剤抵抗性発達防止のため、同一系統薬剤(令和4年長崎県病害虫防除基準P272~273の「作用機構による分類(IRAC)」参照)は連用しない。
〇被害葉及び収穫残さは、本虫の発生源となるのでほ場から持ち出し、適切に処分する。
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