【特殊報】ネギハモグリバエバイオタイプB 県内で初めて確認 岡山県2022年9月26日
岡山県病害虫防除所は8月9日、ネギハモグリバエバイオタイプBの発生を県北部で確認。岡山県では初めての発生確認となり、9月21日に病害虫発生予察特殊報第6号を発令した。
バイオタイプAの食害痕。断続線状に途切れる(左)、
バイオタイプBの食害痕。途切れない連続線が面的に繋がり、1か所から多数のせん孔が伸びる
(写真提供:岡山県病害虫防除所)
8月に岡山県北部の露地ネギほ場で、同種と疑われるハモグリバエの食害による被害が確認された。農研機構野菜・花き研究部門に同定を依頼したところ、同県で未発生のネギハモグリバエ バイオタイプBと同定された。
国内でこのバイオタイプは、2016年に京都府での発生が初めて報告され、今年9月現在で、青森県から鹿児島県に至る本州、四国、九州の33都府県から発生予察特殊報が発表されている。
バイオタイプBは、従来発生していたバイオタイプAとは遺伝的に異なる。由来や海外での発生状況の詳細は不明だが、同じ遺伝子配列のネギハモグリバエが中国から報告されている。
バイオタイプAの食害痕は不連続な断続線状の食害痕を形成するが、バイオタイプBは不規則な連続線状の食害痕を形成。また、1か所から多数の食害痕が伸びて互いに繋がり、面的に白化するなど、バイオタイプAよりは激しい被害となる。
成虫の外部形態は従来のバイオタイプAと差がない。また、成虫は葉の組織内に産卵し、ふ化した幼虫は葉の内部に潜り込んで葉肉を食害する。幼虫は成長すると葉から脱出し、地表または土中で蛹になる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇同種の防除には、ネギハモグリバエやハモグリバエ類に登録のある薬剤を用いて、作物ごとの登録内容に従って防除する。
〇薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統の薬剤の連用は避ける。
〇老熟幼虫は食害痕から脱出して株元の地表または土中で蛹になる。収穫後の被害株や残渣は次作の発生源となるため、ほ場から持ち出して処分する。
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