アイガモロボ 抑草効果 収量増も期待 井関農機と有機米デザイン2022年9月29日
有機農業の面積を面的に拡大していくための先進的な有機稲作の技術とアイガモロボットの可能性についてのオンライン講演が9月に開かれた「オーガニックライフスタイルEXPO2022」で行われた。
講演会では栃木県の民間稲作研究所の館野廣幸理事長が「雑草を味方にする有機稲作」と題して話した。
有機稲作には1992年から取り組み、雑草や稲わらなど農場内の植物を稲作の肥料にしている。稲刈り後は浅く漉き込み、雑草の分解を促進する。
苗は低温で45日から50日かけて5葉苗の丈夫な成苗にする。「苗半作というが、有機稲作では苗八分作。苗づくりでほとんど決まる」という。一方で田植え準備のための代かきは水位を深くして行い、代かき後も土を露出させないよう水を張る。水を張った状態で田植えを行い、深水管理を行う。
深く水を張ることで土に太陽光が届かず雑草の発芽が抑えられる。また、かき混ぜられた土が次第に沈降しトロトロ層をつくり雑草の種の上に層をつくる。それによってマルチを被せたのと同じ状態となり雑草の発芽が抑えられる効果があるという。
農場の名前は「館野かえる農場」。カエルなど生物を生かす環境をつくり、生物の働きで栽培する。農場名には、自然に帰る、世の中を変える、誰でも買える米という意味も込めた。手間がかかるようだが、館野理事長は10a当たりの労働時間は慣行栽培の6時間に対して、自らの有機稲作では4時間というデータも示し「みどり戦略の目標実現は水田の有機化にかかっている」と話した。
アイガモ農法を参考に有機米デザイン(株)が開発したアイガモロボットは今年度は井関農機の出資を得て、34都府県210台で実証試験が行われた。井関農機の鈴木良典顧問は自動抑草ロボットであるアイガモロボットは▽水をかき混ぜることで濁らせ光を遮る、▽水流による雑草の巻き上げ効果、▽トロトロ層づくりに役立つ、ことなどを挙げた。
ただ、アイガモロボが稼働するにはほ場が均平で水位が十分に確保されていることが必要で水位センサーや、ラジコン草刈り機など同社の機器を組み合わせて有機稲作の面積拡大に貢献したいと話した。
アイガモロボは水田に入れて約3週間、太陽電池と蓄電池で動く。実証試験では30aから70aのほ場を中心に導入された。
有機米デザインの中村哲也取締役によると、導入ほ場では抑草効果だけでなく収量の増加も認められたという。ロボットが触れることによる苗への刺激や、水流を起こすことによる酸素の取り込みで微生物が活性化するなどの効果が考えられるのではないかという。今年度の実証ほ場からはジャンボタニシの食害が抑えられていることや、生育が早く収量増も期待されることなどが報告されている。
「今年は1回も草取りのために田んぼに入ることがなかった」という導入ほ場の生産者のコメントも紹介された。
館野理事長は「雑草の発芽段階でロボを走らせると効果があるのではないか」とロボへの期待を話すとともに、有機稲作には稲わらの十分な分解など土づくりが重要なことを強調し「草取りのない稲作をめざしていきたい」と話した。
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