バイオマス植物として有用「オギススキ」の新品種を開発 農研機構2022年10月19日
農研機構は、海外でジャイアントミスカンサスと呼ばれ、バイオマス植物として利用されるオギススキを国内での利用を推進するため、株の広がりが速く、草地造成の労力が大幅に削減できる新品種を開発した。
新品種「MB-1」「MB-2」と既存品種の移植2年目の草勢(10月15日撮影・ 盛岡市で)
オギススキは、オギとススキの自然雑種で日本に自生している植物。海外ではジイアントミスカンサスと呼ばれ、バイオマス植物としてボイラーの燃焼材などに使われている。
日本においてもオギススキの活用により、2050 年カーボンニュートラル達成への大きな貢献が期待できるが、国内ではオギススキの利用はまだ限られている。普及が進んでいない要因の一つとして、オギススキは不稔性のため、種子生産できないことが挙げられる。
種子の拡散により自然生態系を撹乱するおそれがない利点はあるが、草地造成のためには多くの株を増殖し移植する必要があり、労力がかかる。そこで、移植本数を減らすことができ、株の広がりが速い新品種「MB-1」と「MB-2」を開発した。
オギススキ新品種の活用法の一つとして、バイオマス植物として火力発電所などの燃料にすることが考えられる。バイオマス植物に含まれる炭素は光合成で大気中から吸収された二酸化炭素(CO2)で、石炭等の代替燃料として活用すれば、温室効果ガス削減に貢献できる。オギススキは永年生植物であるため一度草地ができると毎年の耕起・鎮圧・播種・除草剤散布などが不要。省力的に草地を管理でき、ロータリー耕で簡単に耕地に戻せることから、低未利用地の省力管理植物として耕地の保全にもつながる。
また、産業利用できる有用化学物質抽出やパルプ製造の原料として利用するための試験を実施。さらに、畜舎の床に敷く敷料や家畜糞堆肥製造の副資材として畜産での利用や、おがくずの一部代替としてきのこの菌床製造への利用も想定される。農研機構では、こうした多様な利用方法を普及させるため、公設試験場や民間企業との連携を検討している。
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