ゲノム情報から柿の近親交配の程度を推定 収量性低下を避けた育種を加速 農研機構2022年11月15日
農研機構と龍谷大学は共同で、カキの品種改良では、近親交配が収量性に関わる様々な形質に影響して、収量性低下を招くことを新たに見出した。この成果は、近親交配が進むことによって、果実重や樹勢など果樹の収量性に関わる重要な形質に悪影響が出ることを、ゲノム情報を基に近親交配の程度を推定することで発見。今後は、ゲノム情報を基に近親交配を避けることで、多収性完全甘ガキ品種の開発を進める。
日本のカキ産業活性化のため、これまで農研機構は、美味しく、外観がきれいで多収性の完全甘ガキを目標に、品種改良を進めてきた。食味や外観の面では改良が進んだが、現在は収量性の向上が大きな課題となっている。
カキの収量性に関わる性質や特徴(形質)のうち、果実重は近親交配によって減少することが、これまでに知られていたが、果実重以外の収量性に関わる様々な形質(果実数、樹勢、結実樹齢など)が、近親交配により、どのような影響を受けるかは不明だった。
農研機構は龍谷大学と共同で、大量のゲノム情報を高速に解析できるddRAD-seqを実施。得られた約1万か所のDNAマーカーを利用して、過去に品種改良に用いた交配組合せの近親交配の程度(近交度)を推定した。その結果、親同士の類縁関係が近い組合せほど、果実重、収量、および樹勢が低下し、結実樹齢も遅延することを見出した。このことは、近親交配が進むと、収量性の低い個体が増えることを示唆している。
今後は、ゲノム情報を基に近親交配を避けることで、多収性の完全甘ガキ品種の開発を効率的に進めていく。
重要な記事
最新の記事
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日
-
厚木・世田谷・北海道オホーツクの3キャンパスで収穫祭を開催 東京農大2024年11月22日
-
大気中の窒素を植物に有効利用 バイオスティミュラント「エヌキャッチ」新発売 ファイトクローム2024年11月22日
-
融雪剤・沿岸地域の潮風に高い洗浄効果「MUFB温水洗浄機」網走バスに導入 丸山製作所2024年11月22日
-
農薬散布を効率化 最新ドローンなど無料実演セミナー 九州3会場で開催 セキド2024年11月22日
-
能登半島地震緊急支援募金で中間報告 生産者や支援者が現状を紹介 パルシステム連合会2024年11月22日