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植物が根から鉄を吸収する機構を解明 不良土壌を改善する次世代肥料の開発に期待 東京大学ら研究グループ2022年12月8日

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理化学研究所生命機能科学研究センタータンパク質機能・構造研究チームの山形敦史上級研究員、白水美香子チームリーダー、公益財団法人サントリー生命科学財団生物有機科学研究所統合生体分子機能研究部の村田佳子特任研究員、徳島大学大学院医歯薬学研究部(薬学域)の難波康祐教授、東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻の寺田透准教授、京都大学大学院理学研究科化学専攻の深井周也教授らの共同研究グループは、イネ科植物が土壌中のムギネ酸鉄を吸収する機構を、トランスポーターの立体構造解析に基づいて解明したと発表した。

ムギネ酸による鉄獲得戦略とムギネ酸鉄を運搬するトランスポーターYellow stripe1の構造

同研究成果は、全陸地の約3分の1を占めるアルカリ性不良土壌(pHが7以上のアルカリ性の土壌の総称)の改善に向けた、ムギネ酸(「麦の根から分泌される酸」が名前の由来であるアミノ酸の一種)やその類縁体を用いた次世代肥料の開発に貢献することが期待できる。植物は成長に必要な鉄を根から吸収するが、アルカリ性不良土壌では鉄は水に溶けにくい三価鉄として存在するため、鉄の吸収が著しく阻害される。

一方、イネやムギは根からムギネ酸と呼ばれるキレート剤(特定の金属イオンを立体構造中に挟み込むように結合する物質)を分泌し、これが三価鉄と結び付いて水溶性となったムギネ酸鉄を吸収する。ムギネ酸鉄の吸収は根の細胞膜にあるYellow stripe1(特定の金属イオンと結合したムギネ酸やその類縁体を特異的に輸送するトランスポーター)が担うが、ムギネ酸鉄を運搬する仕組みはこれまで分かっていなかった。 今回、同共同研究グループはクライオ電子顕微鏡(急速に凍結した試料を-196℃で観察する電子顕微鏡)を用いて、Yellow stripe1とムギネ酸鉄の複合体や、Yellow stripe1とムギネ酸類縁体・鉄イオンの複合体の立体構造を解析した。さらに、分子動力学シミュレーションにより、Yellow stripe1がムギネ酸鉄を認識して結合し、根の内側へと輸送する機構の一端を明らかにした。同研究は、オンライン科学雑誌「Nature communications(11月23日付)に掲載された。

耕作に適さないアルカリ性不良土壌を、耕作地に転換できれば食糧問題の解決が大きく前進する。ムギネ酸やその類縁体は、アルカリ性不良土壌の改善を可能にする画期的な次世代肥料として注目を集めている。同研究により、ムギネ酸鉄がどのように植物の根に吸収されるかを詳細に解明しただけでなく、合成ムギネ酸類縁体であるPDMAがムギネ酸と同様の機構で働くことが証明され、PDMAの今後の実用展開を後押しするものとなる。さらに、同研究で明らかとなったYellow stripe1の立体構造情報は、新たなムギネ酸類縁体をデザインするための基盤となるものであり、次世代肥料の開発が飛躍的に進むことが期待される。

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