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【特殊報】サツマイモ基腐病 県内で初めて確認 三重県2022年12月26日

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三重県病害虫防除所は、サツマイモ基腐病の発生を三重県中勢地域で確認。これを受けて、12月23日に病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。

黒変し枯れ上がった茎葉(左)、茎に形成された柄子殻(写真提供:三重県病害虫防除所)黒変し枯れ上がった茎葉(左)、茎に形成された柄子殻(写真提供:三重県病害虫防除所)

10月に、三重県中勢地域のサツマイモほ場で、葉が赤色になり、地際部が黒変し枯死する症状の報告があった。枯死した茎には、黒い粒状の柄子殻が形成されており、塊根には、「なり首」(茎のつけ根側)からの腐敗が確認。農林水産省名古屋植物防疫所に同定依頼をしたところ、12月に三重県で未発生のサツマイモ基腐病と判明した。

同病は、2018年に沖縄県で初めて発生が確認され、その後、計29都道府県で報告。三重県の隣県では岐阜県、和歌山県で確認されている。

同病原菌に感染し発病すると、葉が赤変・黄変し生育不良となり、株の地際部が暗褐色から黒色に変色し進行すると茎葉が枯れ上がる。さらに進行すると塊根のなり首側から腐敗が広がる。また、収穫時には健全に見えた塊根が貯蔵中や輸送中に腐敗することもある。

同菌の第一次伝染源は、感染した種苗や土壌中の罹病残さとされている。また、生育適温は28~30℃で、降雨の多い時期に風雨やほ場の停滞水によって、畝や畝間に沿って発病株から周囲の株に広がる。葉が繁茂する時期は、発生に気づきにくいため注意が必要。同病は、罹病したつるや塊根で伝搬。また、植物残さ上で越冬し、翌年の伝染源になる。

なり首側からの腐敗(外観)・(断面)(写真提供:三重県病害虫防除所)なり首側からの腐敗(外観)・(断面)(写真提供:三重県病害虫防除所)

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

〇ほ場に本病原菌を「持ち込まない」ことが重要。未発生ほ場で生産された健全種苗を利用する。
〇苗消毒されていない場合は、植え付け前に本病に登録のある薬剤で苗消毒する。
〇栽培期間中に発病を確認した場合は、発病株の除去と薬剤散布を実施。また、二次伝染防止のため、発病株を除去した跡に補植することは控えること。収穫後は、ほ場から残さを除去する。
〇発病が見られたほ場で使用した資材や機械、長靴を別ほ場で使用する場合、十分に消毒や洗浄する。
〇同病害の発生が疑われる場合は、三重県病害虫防除所へ情報提供を。
〇対策等の詳細は、農業・食品産業技術総合研究機構が公表するマニュアル「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策」を参照。
〇防除薬剤は三重県農薬情報システムで作物等の名称「かんしょ」、病害虫雑草名「基腐病」で検索できる。

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