【注意報】小ギクにカスミカメ類 沖縄群島で多発のおそれ 沖縄県2023年1月10日
沖縄県病害虫防除技術センターは、小ギク(彼岸出荷用)にカスミカメ類(主にウスモンミドリカスミカメ)の発生を沖縄群島(本島南部地域、伊江島)で確認。これを受けて、2022年12月26日に令和4年度病害虫発生予察注意報第4号を発令した。
ウスモンミドリカスミカメの成虫(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
沖縄本島における12月のほ場調査の結果、本種の寄生虫数は0.01頭/100茎(平年:0.97頭/100茎)と平年よりも少なかったが、被害茎率は12.5%(平年:0.25%)、被害茎の発生ほ場率60.0%(平年:4.94%)となり、被害茎率は平年と比べ多発生となっている。南部地域での被害茎率は22.0%、被害茎の発生ほ場率は100%となった。また、伊江島からの病害虫防除員報告によると多発生との報告が入っている。
生長点の芯止まり(ピンチ症状)・芯止まりによる異常分枝(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
ウスモンミドリカスミカメが生長点部分を吸汁することにより加害部の硬化、湾曲、芯止まり(ピンチ症状)の被害を引き起こす。同種はセンダングサ類、ニシヨモギ、アレチノギク等のキク科雑草に寄生し、新芽や花蕾を好んで加害する。
寄主植物で成虫になると、キクなど他の植物へ移動。成虫は夜間、電照用白熱球に誘引され、周辺のキク科雑草から断続的に飛来し被害を及ぼすと考えられる。
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場周辺に収穫残渣やキク科雑草の花等があると発生源になる場合があるので除去に努める。
〇親株等を開花させずに早めに耕起する。
〇同虫や被害株の早期発見に努める。
〇薬剤防除による効果は高いが、次々と飛来するため防除は成虫の出現初期から残効性を考慮して複数回実施する。
〇整枝後の分枝に被害が生じると異常分枝するため、再整枝を行い、草姿を整える。
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