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植物の成長を促す植物ホルモンの遺伝子発現調節の新しい仕組みを解明 京都大学ら2023年1月12日

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京都大学は、同大学院生命科学研究科の宮川拓也准教授、中野雄司教授らと、田之倉優東京大学名誉教授、野﨑翔平筑波大学助教、光田展隆産業総合技術研究所副研究部門長らの共同研究グループが、マスター転写因子のBIL1/BZR1が遺伝子プロモーター上の標的塩基配列への結合に影響を与える「DNA形状を読み取る仕組み」を解明したと発表した。

植物成長の促進的調節に働くブラシノステロイドのBIL1/BZR1を介した双方向の遺伝子発現制御の概要植物成長の促進的調節に働くブラシノステロイドのBIL1/BZR1を介した双方向の遺伝子発現制御の概要

ブラシノステロイド(BR)は、植物の器官伸長や維管束形成など、成長を促進的に調節する植物ホルモン。BRの生理機能は、細胞膜受容体へのBRの結合に始まるシグナル伝達によって活性化されたマスター転写因子が、成長プロセスの各段階に応じてゲノム上の約3000種と多種類の遺伝子の発現制御を行うことで発揮されるが、これほど多数のBR応答性遺伝子の誘導または抑制の双方向での発現がどのようにコントロールされているのかなど、詳しい分子機構は明らかにされてなかった。

同研究グループは、マスター転写因子のBIL1/BZR1が遺伝子プロモーター上の標的塩基配列への結合に影響を与える「DNA形状を読み取る仕組み」を解明し、BIL1/BZR1はこの仕組みによってプロモーターに単独で強く結合が可能な場合に遺伝子の転写を抑制することを発見した。今回得られた知見は、BRに特異的に応答する遺伝子と、光などの環境刺激や他の植物ホルモンと協働してBRに応答する遺伝子の発現が、BIL1/BZR1の標的塩基配列への結合様式の違いにより、ダイナミックに調節される可能性を示唆し、その全体像の解明に迫るための重要な手掛かりとして期待される。同研究成果は、2022年12月15日に、国際学術誌「Nature Plants」にオンライン掲載された。

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