太いアスパラガスは「雌株」雌雄間差を比較 明治大学・東北大学2023年2月6日
明治大学農学部農学科 野菜園芸学研究室の元木悟教授、岡田和樹、今井俊平、田口巧と、東北大学大学院生命科学研究科の菅野明准教授は、日本の主要な3つの作型において、新品種を含むグリーンおよびムラサキアスパラガス数品種の雌雄間差を解析。その結果、若茎(可食部)の1茎重および収量は、2つの作型において、雌株が雄株と同等か有意に高いことを明らかにした。今後、アスパラガス生産者の収益向上に役立つ研究成果とみられる。
若茎の萌芽(雌株)
アスパラガス(AsparagusofficinalisL.)は、雌雄異株の多年生植物。近年、太いアスパラガスは、ボリュームや食味などから評価が高まっており、高単価で取引されるため、アスパラガスの1茎重および収量を増加させることができれば、生産者の収益向上につながる。
アスパラガスの1茎重および収量の雌雄間差について調査した先行研究はいくつかあるが、いずれも品種が古く、研究ごとに結果が異なるという問題があった。同研究では、日本の主要な作型である露地長期どり栽培、ハウス半促成長期どり栽培および伏せ込み促成栽培の3つの作型において、従来品種に加え、新品種を含むグリーンおよびムラサキアスパラガス数品種を供試し、アスパラガスの生育および収量の雌雄間差を解析した。
若茎の萌芽(雄株)
雌雄間差の栽培試験の実施前には、東北大学大学院の菅野准教授らが開発した新技術(DOI)を用い、アスパラガスの幼苗のDNAをPCRで解析することにより雌雄を判別。その結果、露地長期どり栽培およびハウス半促成長期どり栽培の2つの長期作型において、1茎重および収量は雌株が雄株と同等か有意に高く、雌株の利用により単価の高い太いアスパラガスの収量が増える可能性が示唆された。
一方、伏せ込み促成栽培では、1茎重および収量に雌雄間差が認められなかった。雌雄間で休眠打破に必要な低温遭遇時間が異なること、栽培期間が短いことが原因と考えられる。そのため、伏せ込み促成栽培においても、性別ごとに低温遭遇時間を変えれば、雌株の利用により太い若茎が収穫できる可能性がある。
以上から、アスパラガスの栽培における雌株の利用は、生産者の収益向上につながる可能性があるものの、植物の雌雄判別にかかる時間や費用などが課題。雌雄判別法の低コスト化は、現在、同研究開始時に比べて進んでおり、本研究成果は雌雄判別技術の進歩とともに生産現場に普及していくと考えられる。
同研究成果は、2022年10月20日に米国の園芸学会誌『HortScience』誌に論文が掲載。また、1月12日に、『American Society for Horticultural Science』のプレスリリースで研究内容が紹介された。
ムラサキアスパラガスの1茎重の雌雄間差
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