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【特殊報】トマトにクロテンコナカイガラムシ 県内で初めて確認 岐阜県2023年2月7日

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岐阜県病害虫防除所は、トマトにクロテンコナカイガラムシの被害を岐阜地域で確認。これを受けて、2月3日に病害虫発生予察特殊報第4号を発令した。

トマト葉柄に寄生している様子(写真提供:岐阜県病害虫防除所)トマト葉柄に寄生している様子(写真提供:岐阜県病害虫防除所)

2022年10月に岐阜地域のトマトほ場(1ほ場)で、雑草に寄生していたコナカイガラムシ類が、一部のトマト株に移動して増殖していることが確認された。この虫を採集し、農林水産省名古屋植物防疫所に同定依頼した結果、クロテンコナカイガラムシと同定された。

クロテンコナカイガラムシによる農作物への被害は、これまでに、愛知県や滋賀県などの17府県で確認されている。被害作物は、ナス、トマトなどのナス科作物をはじめとした果菜類で報告事例が多い。また、ホウレンソウ、キクなどの葉菜類や花菜類でも報告がある。同種による農作物の被害は岐阜県では初めて確認された。

クロテンコナカイガラムシは、中南米原産の昆虫で、南アジアや東南アジアへ分布域が拡大し、現在では世界各地に分布している。成虫の体長は約35ミリで、背面に白色のロウ物質を分泌し、体色は白く見える。背面の一部にロウ物質が薄い部分があるため、1対の縦帯状の黒斑があるようにみえる。1齢幼虫期には歩いて移動するため、分散して寄生部位が拡大。雌は3齢幼虫を経て成虫となるが、雄は2齢幼虫を経て蛹化し、羽化後は有翅の成虫となる。

広範囲の作物に寄生し、64科200種以上の植物に寄生することが知られている。植物の葉、茎、花芽及び果実に寄生し、吸汁により寄主植物を衰弱させるため、発生が多くなると生育不良になる。吸汁による排泄物として甘露を分泌するため、葉や果実にすす病(甘露を栄養源とするカビ類が発生する。

寄生されたトマト株・クロテンコナカイガラムシ成虫(矢印黒斑様の特徴)(写真提供:岐阜県病害虫防除所)寄生されたトマト株・クロテンコナカイガラムシ成虫(矢印黒斑様の特徴)(写真提供:岐阜県病害虫防除所)

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

〇1月末現在、トマトの同種に対する登録農薬はない。そのため、以下の耕種的防除を実施する。
〇周辺への発生の拡大を防ぐために、寄生部位は速やかに除去するとともに、残渣を適切に処分する。
〇雑草に寄生して生息可能なため、ほ場周辺の除草を徹底する。

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