マイクロプラスチック殻を使わない水稲ペースト 一発肥料の有効性を確認 三菱マヒンドラ農機2023年2月9日
三菱マヒンドラ農機は、マイクロプラスチック殻を出さないペースト肥料を使い、追肥しない一発施肥による水稲の生育を確認するため、2022年春から新潟県長岡市、岡山市、栃木県矢板市のなどのほ場で実施してきた実証試験の結果について発表した。
雨の日に作業できることもペースト肥料のメリットの1つ
水稲栽培においては、これまでプラスチック被覆殻で覆われた粒状一発肥料が多く使われてきたが、近年の環境意識の高まりとともに、水田から流出するマイクロプラスチック殻が問題視されるようになっている。新潟県長岡市、岡山市、栃木県矢板市のなどのほ場で行なわれた実証試験の結果は、良好な食味と各県平均を上回る収穫量で、粒状一発肥料と遜色のない栽培ができることを実証した。
ペースト一発肥料で育てた水稲の一反(10アール)あたりの玄米収量は、659kg(長岡市)、590kg(岡山市)、573kg (矢板市)と令和4年度の各県平均に対して11~24%の増量となった。また、食味スコアについても「87」「81」「88」といずれも「良」(80以上)と診断された。
苗を植えながら土の中に施肥する仕組み
これにより、ペースト一発施肥による田植えは、一般的に行われている粒状一発肥料の課題であるプラスチック被覆殻の流出と無縁であるだけでなく、水稲の生産性においても平均を上回る成果を上げることが可能であることが示された。
ペースト一発施肥は、田植え時にほ場環境に合わせ、苗の側条または上下二段の側条に緩効性の肥料を施肥することで追肥の必要性を低減し、一発施肥を可能にする。また、土中にとどまりやすく流亡が少ないため局所施肥が可能で、慣行農業と比べて肥料の使用量を約3割削減できる。
マイクロプラスチック問題の解消と化学肥料の削減に寄与できることから、2022年11月にペースト施肥対応の田植機は「みどりの食料システム戦略」の認定事業に選定された。
1974年に業界で初めてペースト側条施肥機を開発・発売し、環境負荷の低いペースト肥料を用いた農法への対応に長年取組んできた同社は、ペースト施肥に対応する田植機販売における業界のリーダーとして、生産効率の向上と、環境負荷低減に寄与する農業を推進していく。
ペースト二段施肥のイメージ図
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日