サブクローバの高精度ゲノム配列を決定 乾燥に強い植物の育種へ かずさDNA研究所2023年2月20日
かずさDNA研究所と国立遺伝学研究所、ニュージランドの国立研究機関アグリサーチ(AgResearch)、ティーブレイク・バイオンフォマティクス株式会社は共同で、乾燥に強い牧草・サブクローバの高精度なゲノム配列を決定した。
サブクローバの花(左)と土に潜った花を掘り出したもの
生物の設計図であるゲノムの塩基配列情報は、より優れた形質をもつ新しい品種の育成に活かされる。果実の色や形、耐病性など、少数の遺伝子で決まる性質の改良には、これまでに得られていた精度のゲノム情報が利用できるが、乾燥耐性や多収量など、多くの遺伝子の働きが複雑に絡み合って決まる性質を育種のターゲットにする場合には、ゲノム全体の遺伝子をより高い精度で知っておく必要がある。
かずさDNA研究所は、ゲノムサイズが大きく複雑な構造をもつために解析が難しい栽培植物のゲノム解読に長年取り組み、このほど、新しいゲノム解読技術を用いてサブクローバのゲノムを再解読した。サブクローバは地中海原産のマメ科植物で、乾燥に極めて強いため、オーストラリアやニュージーランドの乾燥地帯など、放牧が盛んで乾燥した地域で牧草として使われている。
今回の解析の結果、従来法では見つけられなかった遺伝子や染色体の構造変化を新たに多数発見。これらの情報をもとに、乾燥に強く、収量の高いサブクローバの品種開発が進むことが期待される。
同研究成果は2月15日、国際学術雑誌『Frontiers in Plant Science』でオンライン公開された。
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