【特殊報】ネギ黒腐菌核病 県内で初めて確認 秋田県2023年2月28日
秋田県病害虫防除所は、ネギ黒腐菌核病の発生を県内で初めて確認。これを受けて、2月27日に病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
発病ほ場の様子(写真提供:秋田県病害虫防除所)
2022年5月下旬、県中央部の初夏どりねぎ(品種:坊主不知)ほ場で、ねぎ地上部の黄化・枯死および地下部の茎盤部付近の葉鞘部表面に黒色小粒の菌核が多数確認された。
地上部の状況(写真提供:秋田県病害虫防除所)
秋田県農業試験場と秋田県立大学が遺伝子診断等をしたところ、ネギ黒腐菌核病(Sclerotiumcepivorum Berkeley)と同定された。同病は主に関東地方や東海地方のねぎで問題となっている病害で、秋田県では初めての確認。
地上部では、下位葉が黄化し生育不良となり、病勢が進展すると枯死し、地下部では、根腐れを起こし引き抜けやすくなる。また、発病部位には黒色ゴマ粒状の菌核を形成し、病勢が進展すると黒いかさぶた状になる。
伝染源は発病株に形成された菌核で、土中で4年以上生存。また、菌核は発病株や土壌とともに移動する他、風雨によってもほ場内やほ場間を容易に移動する。この菌は比較的低温で発生しやすく、発病適温は10~15℃。土壌pHが低くなるほど、発生しやすい。宿主範囲は、ねぎ、にんにく、たまねぎ、にら等。
発病株の地下部の病徴(写真提供:秋田県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇発病株や被害残渣はほ場にすき込まず、ほ場外に持ち出して処分する。
〇他ほ場への菌核等の持ち出しを避けるため、作業機械等は十分に洗浄して土を落とす。
〇株分けによる栽培では、発病していない株を選び苗として使う
〇同病発生ほ場では連作を避け、4~5年以上は宿主範囲以外の作物を栽培する。
〇登録農薬で定植前に苗への灌注処理を行う他、土寄せ前に薬剤処理を行う。
〇石灰資材により土壌pHを矯正する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日