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スギ全染色体の塩基配列解読に成功 無花粉品種の効率開発など可能に 森林総合研究所2023年3月2日

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森林研究・整備機構森林総合研究所、東京大学、基礎生物学研究所、新潟大学、筑波大学、国立遺伝学研究所の研究グループは、スギの全染色体をカバーする塩基配列を解読に成功。約5万個の遺伝子とその位置もほぼ特定し、種を代表する標準配列「参照ゲノム配列」を構築した。無花粉など有用な品種の開発をはじめ、スギの進化過程の予測や気候変動の影響予測に役立つと期待される。

スギの参照ゲノム配列。内側の環から遺伝マーカーの密度、塩基配列の組成(GC含量)、配列の不確かさの割合(N%)、「繰り返し配列」の密度、遺伝子の密度、染色体番号(1~11)、および物理距離(Mb)を表すスギの参照ゲノム配列。
内側の環から遺伝マーカーの密度、塩基配列の組成(GC含量)、配列の不確かさの割合(N%)、「繰り返し配列」の密度、遺伝子の密度、染色体番号(1~11)、および物理距離(Mb)を表す

花粉症発生源対策として現在、苗木生産されている無花粉品種は、まれに起きる遺伝子異常で花粉ができなくなった「雄性不稔」の個体を利用したもの。さらに効率的な無花粉品種開発に向け、雄性不稔をもたらす遺伝子とその塩基配列の解明が求められている。

スギはイネの20倍以上と巨大で、複雑なゲノムを持つため、配列の解読が難かしい。個体も寿命が長く巨大なため、人工交配による遺伝的な解析にも時間と労力がかかるが、近年のゲノム解析技術の進歩により、その解読が容易に可能になってきた。

研究グループは、スギが持つ11本の全染色体のそれぞれのゲノム配列を端から端まで正確に解読し、高精度な参照ゲノム配列を構築した。解読を容易にするため、「自殖」したスギ1個体から抽出したDNAを使い、最新の分析技術で解読した結果、全染色体をカバーする91億塩基対を確認。これらのうち97.4%について染色体上での位置を特定できた。

遺伝学的に別途作成されているスギの遺伝子地図と、この参照ゲノム配列とを突き合わせたところ、遺伝子判定の目印となっている特定の塩基配列(DNAマーカー)約6500個それぞれが正しく照応していた。この参照ゲノム配列には約5万5000個の遺伝子が予測されたが、これらの遺伝子の位置関係も正確にわかる。

現在知られている4つの雄性不稔遺伝子の染色体上の位置についても、今回構築した参照ゲノム配列によって近傍両側のDNAマーカーを含めて特定できた。また、類似した塩基配列が繰り返し続く「繰り返し配列」がゲノム全体の81%以上を占めることも見い出された。

さらに、「繰り返し配列」同士の違いを解析した結果、様々な種類の「繰り返し配列」を発見。「繰り返し配列」の種類ごとに数が飛躍的に増えた時期は異なり、ごく最近からおよそ700万年前までの特定の時期に数が増えたものと推定された。

ゲノム解読に使用したスギの自殖系統(茨城県つくば市)ゲノム解読に使用したスギの自殖系統(茨城県つくば市)

今回構築した参照ゲノム配列により、雄性不稔など特定の性質に関係する遺伝子を迅速に単離できるようになり、有用な品種の開発・育成が加速。さらに、ゲノムや遺伝子には進化の道筋が記録されていることから、スギが地球規模での気候変動にどのように適応して生き延びてきたのか、さらには今後も生存していけるのかいうことについて、より正確に予測でき、針葉樹林の遺伝的な管理や育種につながる。

同研究成果は1月15日、米サンディエゴで開かれた国際会議「Plant and Animal Genome 30」(PGA30)の「Forest Tree Workshop」で口頭発表が行われ、2月25日に『bioRxiv』誌でプレプリントが公開された。

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