マツタケのゲノムを完全解読 希少化するマツタケ保全へ かずさDNA研究所2023年5月10日
かずさDNA研究所と東京大学大学院農学生命科学研究科は、共同でマツタケのゲノムを解読した。
解析に使用したマツタケ(長野県伊那市産)
秋の高級食材として知られるマツタケは、近年、生息地の環境悪化などにより収穫量が減少している。生きた樹木の根に共生するマツタケは、人工栽培されておらず、生息域外保全も難しい状況にある。
今回の研究では、最新のロングリード配列解析装置を使って、マツタケがもつ13本の染色体の塩基配列(合計1.6億塩基対)と、ミトコンドリアの環状DNA(7.6万塩基対)を端から端までひとつづきで決定することに初めて成功。また、マツタケが2万1887個の遺伝子をもつこと、ゲノムの71.6%は転移因子などのリピート配列が占めることを明らかにした。
この結果により、解読されたゲノム情報から、マツタケの生態が解明され保全につながることが期待される。また、さらなる遺伝子解析により、マツタケの大量生産や人工栽培への道が拓かれることが望まれる。
同研究成果は国際学術雑誌『DNA Research』で、4月25日にオンライン公開された。
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