農家の生産性向上へ 種ジャガイモの最適発芽へ「エチレン処理技術」開発 岩谷産業2023年5月11日
岩谷産業は、種ジャガイモの最適な発芽につながる「エチレン処理技術」を開発し、特許を出願したと発表した。この技術によって製品単価の高いジャガイモを多く収穫できることが実地試験で確認され、農家の生産性向上に貢献できるとしている。
エチレン処理システムのイメージ図
種イモの発芽処理は加温しすぎると発芽伸長が進みすぎるなど温度管理が難しいことが課題とされている。同社が開発した「エチレン処理技術」は、種イモの発芽処理をする保管庫に低濃度のエチレンを供給し、加温の温度をコントロールする仕組み。エチレンは、野菜や果物などが発する植物ホルモンの一種で、果実の成熟促進などの効果をもたらす無色で甘い臭いのガス。この処理によって①過度な芽の伸長を防ぐ②発芽数が増える③エチレン処理後の種イモを畑で栽培することで、製品単価の高いサイズのジャガイモを多く収穫できるといった効果が確認されたという。
エチレン処理による種ジャガイモの発芽の比較
同社の中央研究所で2021年12月から最適な発芽処理の研究を始め、22年4月~9月に、北海道の農家の協力で実地フィールド評価を実施した。この結果、最適なサイズとされるM玉(61~90g)の総重量が、未処理区で栽培されたものより41%多い結果が得られたという。
同社はこの結果を受けて、今年4月にスナックメーカーの北海道の契約農家3戸にエチレンシステムの評価機をレンタルし、今年秋の収穫で順調な成果を得られれば来年春からの実機の販売を目指したいとしている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(159)-食料・農業・農村基本計画(1)-2025年9月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(76)【防除学習帖】第315回2025年9月13日
-
農薬の正しい使い方(49)【今さら聞けない営農情報】第315回2025年9月13日
-
【人事異動】JA全中(10月1日付)2025年9月12日
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政も思い切りやってほしかった 立憲民主党農林漁業再生本部顧問・篠原孝衆議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】破られた新しい政治への期待 国民民主党 舟山康江参議院議員2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政でも「らしさ」出しきれず 衆議院農水委員会委員・やはた愛衆議院議員(れいわ新選組)2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日
-
「日本酒イベントカレンダー 2025年9月版」発表 日本酒造組合中央会2025年9月12日