【特殊報】キクに「シュンギク苗腐敗病」県内で初めて確認 沖縄県2023年5月17日
沖縄県病害虫防除技術センターは、「Gibellulopsis chrysanthemi」によるキクの病害を県内で初めて確認。これを受けて、5月12日に病害虫発生予察特殊報第3号を発令した。
図1:ほ場における罹病株の様子(矢印:病斑を示す)(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
2022年12月、沖縄本島南部の露地栽培キクで、下葉に褐色輪紋等の症状を確認。沖縄県農業研究センターに同定を依頼したところ、菌の形態及び遺伝子解析結果から、Gibellulopsis chrysanthemiと診断された。同病原菌は2009年に大阪府のシュンギクにおいて国内で初確認され、「シュンギク苗腐敗病」と命名されている。
図2:葉の初期症状(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
同病原菌は、実験的にはレタスやキクなどでも発病することがあるが、自然状態ではシュンギク以外の発病は知られていなかった。今年3月に沖縄本島内で発生状況調査を行った結果、島内全域で発生が確認された。
症状は葉で発生する(図1)。最初に下葉の表側には淡い斑点または輪紋のような症状が現れ、その葉の裏側には明瞭な褐色斑点や輪点症状が現れる(図2)。病徴が進展すると葉の表側にも明瞭な斑点症状が現れ融合し(図3)、さらに進展すると黒変する(図4)。この黒変した症状はキクの黒斑病の症状に酷似。対策が遅れると葉が枯れ上がり、著しく商品価値が低下する。
左から、図3:病斑の拡大・融合(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)、
図4:黒変症状(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
同病原菌の生育温度は3~34℃と広く、さらに長期間の湿潤条件で発生が助長される。また、乾燥した罹病植物組織内でも長期間生存し、半年後でも発病したと報告されている。
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇健全苗を植え付ける。
〇かん水の時に土が跳ね上がらないように注意する。
〇罹病葉は伝染源となるので速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。
重要な記事
最新の記事
-
【年頭あいさつ 2025】菱沼義久 一般社団法人日本農業機械化協会 会長2025年1月4日
-
【年頭あいさつ 2025】増田長盛 一般社団法人日本農業機械工業会 会長2025年1月4日
-
【年頭あいさつ 2025】冨安司郎 農業機械公正取引協議会 会長2025年1月4日
-
【年頭あいさつ 2025】雜賀慶二 東洋ライス 代表取締役2025年1月4日
-
【年頭あいさつ 2025】小澤 敏 クロップライフジャパン 会長2025年1月3日
-
【年頭あいさつ 2025】栗原秀樹 全国農薬協同組合 理事長2025年1月3日
-
【年頭あいさつ 2025】的場稔 シンジェンタジャパン株式会社 代表取締役会長2025年1月3日
-
【年頭あいさつ 2025】井上雅夫 住友化学株式会社 執行役員アグロ事業部担当2025年1月3日
-
【年頭あいさつ 2025】岩田浩幸 日本農薬株式会社 代表取締役社2025年1月3日
-
【年頭あいさつ 2025】国際協同組合年機に反転 村上光雄 一般社団法人 農協協会会長2025年1月2日
-
【年頭あいさつ 2025】基本法理念 実現の時 江藤拓 農林水産大臣2025年1月2日
-
【年頭あいさつ 2025】基本法の具体化に全力 山野徹 全国農業協同組合中央会 代表理事会長2025年1月2日
-
食と農を未来へつなぐ【年頭あいさつ 2025】折原敬一 全国農業協同組合連合会 経営管理委員会会長2025年1月2日
-
【年頭あいさつ 2025】利用者本位の活動基調に 青江伯夫 全国共済農業協同組合連合会 経営管理委員会会長2025年1月2日
-
【年頭あいさつ 2025】つながり強化戦略推進 奥和登 農林中央金庫 代表理事理事長2025年1月2日
-
【年頭あいさつ 2025】医療、福祉の充実に一丸 長谷川浩敏 全国厚生農業協同組合連合会 代表理事会長2025年1月2日
-
【年頭あいさつ 2025】『家の光』創刊100周年 JA教育文化活動支援に尽くす 栗原隆政 (一社)家の光協会 代表理事会長2025年1月2日
-
【石破総理 新春インタビュー】政治の大転換期、新たな農業政策へ どう一歩踏み出すか(2)2025年1月1日
-
【石破総理 新春インタビュー】政治の大転換期、新たな農業政策へ どう一歩踏み出すか(3)2025年1月1日
-
【石破総理 新春インタビュー】政治の大転換期、新たな農業政策へ どう一歩踏み出すか(4)2025年1月1日