農業用モニタリングシステム「Agriware」新規就農者をサポート 燃料代も削減 スマートロジック2023年5月23日
モニタリングシステムを開発・設計するスマートロジックは、2013年から農業用モニタリングシステム「Agriware(アグリウェア)」を提供している。温度、湿度、日射量など現地の環境をPC・スマートフォンでいつでもどこでも確認できるシステムで、新規就農者のサポートや燃料代削減にもつながると期待される。
農業用モニタリングシステム「Agriware」 ハウス内を24時間「見える化」
同社は設立以来、組み込み機器のファームウェアを中心に、ソフト/ハードを開発。その技術を生かし、農業に着目して開発した農業用モニタリングシステム「Agriware」は、子機・親機を圃場に設置することで、温度、湿度、二酸化炭素、日射量、土壌温度など現地の環境をPC・スマートフォンでいつでもどこでも確認でき、測定データはクラウドサーバー上に保存される。製品は全てセットアップ済みの状態で出荷されるため、機器を設置後すぐにシステムの利用を始められ、乾電池で動作する子機なら設置も移動も簡単。就農1年目で同システムを導入したイチゴ農家が、ハウス内の最適な温度管理と燃料代削減を実現している。
長野県南佐久郡南相木村の「大空夏いちご農園」は、2021年から「Agriware」を導入。同農園の丸山英樹代表は、脱サラ後、地域おこし協力隊として新規就農し、夏秋イチゴで事業を目指す中、同システムを活用したところ、就農1年目からハウス内を最適な環境で管理することに成功。高騰する燃料代削減にも同システムが貢献したという。
標高1350メートルの山間部にある同農園は、冷涼な気候を活かして3棟のハウスで夏秋イチゴを栽培。イチゴの栽培は温度管理が重要となるため、季節ごとの理想的な温度管理基準を知るため、先輩イチゴ農家のハウス内に「Agriware」を設置し、温度や湿度・日射量・土の温度などのデータを1 年間観測した。その後、自身のハウス内に移動させ、体感だけでは判断が難しい温度管理を先輩農家のデータを参考にしたところ、就農1年目からハウス内を最適な環境で管理することができた。
同システムでは、24時間データを取り続けるため、温度とイチゴの生育の関係を分析でき、温度管理を徹底したことでイチゴの甘みを引き出すことにも成功。さらに、ハウス内は、夜間は冷え込むため暖房が必要となるが、日中の適温状態を持続させることで、夜間の暖房の稼働時間を減らし、観測データをもとに日中の換気するタイミングを適切にすることで燃料代削減につながったという。
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