【特殊報】インパチェンス類べと病 県内で初めて確認 千葉県2023年5月29日
千葉県農林総合研究センターは、インパチェンス類べと病の発生を県内で初めて確認。これを受けて、5月24日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
葉の黄化症状(写真提供:千葉県農林総合研究センター)
4月上旬に、県内で生産されたインパチェンスで、葉が黄化して落葉(写真1)し、葉裏に白いかびが生じる症状(写真2)が発生した。5月上旬に、生産者の要請を受けた管轄農業事務所が本症状を確認し、千葉県農林総合研究センターに診断を依頼。同センター病理昆虫研究室で診断した結果、病原菌の形態的特徴(写真3)から、インパチェンス類べと病と診断した。
葉裏に生じた白色のかび(写真提供:千葉県農林総合研究センター)
病原菌(写真提供:千葉県農林総合研究センター)
同病は、2010年6月に国内で初めて確認されており、2012年に島根県、2014年に神奈川県、2016年に広島県、2020年に高知県から特殊報が発表されているが、千葉県での発生確認は初めて。
病徴としては葉が黄化し、葉裏に白色のかびを生じ、進展すると、落葉、枯死に至る。病原菌は葉裏の気孔から分生子柄を伸長し、樹状に分岐後、その先端部に卵型の分生子を形成する。宿主植物はインパチェンス類をはじめとするツリフネソウ属の植物とされる。
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇同病は分生子により空気伝染するため、罹病株は速やかにほ場外へ持ち出し、土中に埋却処理する。
〇葉が濡れていると感染を助長するため、頭上かん水は避ける。
〇以下の表を参考に薬剤防除する。農薬の使用にあたっては、最新の農薬登録内容を確認し、製品ラベルに記載された使用基準を守り適正に使用する。
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