熱帯島嶼河川の栄養塩濃度を機械学習で予測 沿岸生態系の保全対策への活用に期待 国際農研2023年6月6日
国際農研は、機械学習を用いて、沖縄県石垣島の河川水に含まれる栄養塩(窒素、リン、ケイ素)濃度を高い精度で予測する新たなモデルを作成した。
調査対象地域 地図上の白色〇印は調査地点(18か所)を、
黒の実線で囲まれた領域は各調査地点における河川流域をそれぞれ表す
同研究で作成したモデルは、石垣島の上流域の土地利用や表層地層などの流域特性から栄養塩濃度を機械学習手法「ランダムフォレスト」により予測するもの。
それぞれの栄養塩に対してどのような流域特性が大きな影響を及ぼしているかについても評価することができる。また、従来のシミュレーションモデルの多くは、窒素とリンを対象に栄養塩濃度を推定していたが、同モデルはこれらに加えてケイ素についても濃度の予測が可能。窒素、リンの過剰負荷に起因するサンゴ礁の衰退やケイ素の減少に起因する渦鞭毛藻(うずべんもうそう)など有害藻類発生のリスク評価などへの活用も可能になる。
さらに、陸域から流出する栄養塩の量を推定・予測するには、河川流量と水質の観測やシミュレーションモデルなど高度な専門知識・技術の習得と労力が必要だったが、同モデルでは、流域の土地利用や表層地質、人口密度のデータがあれば比較的簡便な操作で栄養塩濃度を予測することが可能になる。
熱帯島嶼では、気候変動に伴う海洋環境の変化に加え、陸域からの過剰な栄養塩の流入による、サンゴ礁などの沿岸生態系への悪影響が懸念されている。同研究の成果によって、陸域から流入する栄養塩の量を適正に管理し、健全な沿岸生態系を保全するための施策立案への活用が期待される。
同研究成果は、『Environmental Pollution』電子版2022年11月5に掲載された。
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