【特殊報】コムギにミナミアオカメムシ 県内ほ場で初めて確認 群馬県2023年6月23日
群馬県農業技術センターは、コムギに群馬県農業技術センター発生を県内のほ場で初めて確認。これを受けて、6月20日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
ミナミアオカメムシ・腹部背面が一面緑色(写真提供:群馬県農業技術センター)
5月に県東部地域のコムギほ場において、ミナミアオカメムシと疑われるカメムシ成虫が確認され、群馬県農業技術センターで、形態的特徴からミナミアオカメムシと同定した。
同種は、熱帯から温帯地方南部に広く分布し、国内では本州、四国、九州、南西諸島、小笠原諸島に分布。西日本を中心に分布が拡大している。関東地方では、2010年に千葉県で初めて確認されて以降、2015年に神奈川県、2016年に東京都、2020年に茨城県、埼玉県、2021年に栃木県で発生が確認されている。群馬県内では県東部の予察灯への誘殺は確認されていたが、ほ場での発生の確認は初めて。
成虫の体長は12~16ミリ、体色はツヤのない緑色で、アオクサカメムシによく似ている。両種ともに小楯板上端に3つの白い斑点があることは共通しているが、同種は腹部背面(翅の下)の色が緑色。アオクサカメムシは黒色であることで識別できる。また、触角第3~5節の先半分が褐色であることでも識別できる。
他に類似カメムシとしてツヤアオカメムシがいるが、ツヤアオカメムシはツヤのある緑色で小楯板上端に3つの白い斑点がなく、腹部背面(翅の下)の色が紅色~褐色であることで識別できる。年3~4回発生すると言われ、スギなどの常緑樹で越冬した成虫は、春先にオオムギ、コムギ、ナタネの上で増殖し、その後の世代が水稲やダイズ、野菜類に飛来。成虫で越冬するが、最寒月の平均気温が5℃以下の地域では越冬できないとされている。
成虫、幼虫ともに広食性で、水稲、ダイズ、野菜類、果樹類等32科145種以上の植物を吸汁することが知られており、水稲では穂を吸汁し斑点米を生じさせる。班点米カメムシ類の中では大型で吸汁量が多いため、低密度でも斑点米の被害が大きくなるとされている。
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇水稲、ダイズ等の穀類・豆類の他、ナスなどの果菜類、ナシなどの果樹類等で被害が懸念される。薬剤防除にあたっては、各作物のカメムシ類に登録のある薬剤を使用を。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】ダイズ、野菜類、花き類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年9月19日
-
【サステナ防除のすすめ2025】秋まき小麦防除のポイント 除草とカビ対策を2025年9月19日
-
農業土木・鳥獣対策でプロフェッショナル型キャリア採用 課長級の即戦力を募集 神戸市2025年9月19日
-
脱炭素時代の国際基準を日本で実装 小売業や生産資材の参画を拡大へ 農林中金「インセッティングコンソーシアム」2025年9月19日
-
(453)「闇」の復権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月19日
-
「1粒1粒 愛をコメて」来年産に向けた取り組み 令和7年度 水稲高温対策検討会を開催 JA全農ひろしま2025年9月19日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」熊本市で27日に開催2025年9月19日
-
「長崎県産和牛フェア」東京・大阪の直営飲食店舗で開催 JA全農2025年9月19日
-
大阪・関西万博で「2027年国際園芸博覧会展 未来につなぐ花き文化展示」開催 国際園芸博覧会協会2025年9月19日
-
東京科学大学と包括連携協定を締結 農研機構2025年9月19日
-
素材のおいしさ大切に 農協シリーズ「信州あづみ野のむヨーグルト」など新発売 協同乳業2025年9月19日
-
オートノマス水素燃料電池トラクタを万博で初披露 クボタ2025年9月19日
-
農業の未来を包装資材で応援「第15回 農業WEEK」出展 エフピコチューパ2025年9月19日
-
東尋坊から「崖っぷち米」大手スーパー「ベルク」と直取引で関東圏初進出 福井県坂井市2025年9月19日
-
京橋千疋屋と初コラボ 完熟キウイで「2色のゼスプリキウイ杏仁パフェ」登場 ゼスプリ2025年9月19日
-
まるまるひがしにほん「栃木のおいしさ発掘便」開催 さいたま市2025年9月19日
-
おいしい「ぶどう」日本一は長野県須坂市の横山果樹園「ピオーネ」 日本野菜ソムリエ協会2025年9月19日
-
農業用ビニールハウスの品質が評価「優秀FDI企業トップ20」などに選出 渡辺パイプベトナム2025年9月19日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2025年9月19日
-
宅配事業に新しい形「ナイトチア クロセチン&セラミド」など新発売 雪印メグミルク2025年9月19日