【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 宮城県2023年7月25日
宮城県病害虫防除所は、水稲に斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ、クモヘリカメムシ)が県内全域で多発のおそれがあるとして、7月24日に令和5年度病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
アカスジカスミカメ・クモヘリカメムシ(写真提供:宮城県病害虫防除所)
宮城県病害虫防除所によると、中生品種(北部平坦部)の出穂期は平年(県平均:8月2日)より5日早い7月28日頃と予測され、斑点米カメムシ類の本田侵入始期は平年(8月第1半旬)よりやや早い7月第6半旬と予測される。
定点調査の結果、アカスジカスミカメの第1世代成虫発生盛期は7月第3半旬で、平年(7月第5半旬)より早かった。巡回調査の結果、イネ科植物が出穂している草地におけるアカスジカスミカメ成虫の発生地点率は平年よりやや高く、すくいとった虫の数は平年より多かった。同様に、クモヘリカメムシ成虫の発生地点率とすくい取った虫の数は平年を大きく上回った。
高温がこの虫の発生に好適な条件。仙台管区気象台が7月20日に発表した向こう1か月の平均気温は高いと予報されている。
表1:斑点米カメムシ類対象の主な薬剤(『宮城県農作物病害虫・雑草防除指針』より)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇水田における薬剤防除は、穂揃期とその7~10日後の2回防除が基本。水稲の出穂が早いと見込まれるため、ほ場をよく観察し、遅れないように防除を実施する。
〇ジノテフラン液剤(スタークルメイト液剤10等)とエチプロール水和剤(キラップフロアブル)はアカスジカスミカメに対する防除効果が高く、特に、ジノテフラン液剤は残効が長く、2週間程度は発生密度を抑制することができる(主な薬剤は表1を参照)。
〇クモヘリカメムシは水田に越冬世代成虫が侵入し、その後1世代を経過する。クモヘリカメムシの発生地域で「つや姫」等の晩生品種を作付けする場合は被害リスクが高くなる可能性があるため、適期防除を実施する。
〇すでにアカスジカスミカメの第1世代成虫発生盛期を迎えていることから、今後、水田周辺の畦畔や雑草地の草刈りを行うと、成虫を水田内に追い込み斑点米被害を助長するため、原則行わない。やむをえず草刈りを行う場合は、草刈り後直ちに水田への薬剤防除を実施する。
〇イヌホタルイが多発しているほ場では、1回目の薬剤散布を「出穂始~穂揃期」に行うことで、斑点米カメムシ類の密度を低下させ被害を軽減できる。
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