【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 岩手県2023年7月31日
岩手県病害虫防除所は、水稲に斑点米カメムシ類が県下全域で多発のおそれがあるとして、7月28日に令和5年度病害虫発生予察注意報第6号を発令した。
出穂開花した水稲にとまったアカスジカスミカメ(写真提供:岩手県病害虫防除所)
水稲の出穂期は、県全体で平年より2日程度早まる見込み。7月14~25日に実施した水田畦畔におけるすくい取り調査(74圃場)では、発生圃場率は67.6%(平年48.9%)で、過去10年間で2番目に高い。
アカスジカスミカメ第2世代のふ化盛期は平年よりかなり早まると予測され、8月下旬以降、本田における発生密度が増加する可能性が高い。
8月の気温は平年並か高い予報で、斑点米カメムシ類の水田内への侵入や加害が活発になる可能性が高い。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇茎葉散布による穂揃期1週間後の基本防除を徹底する。今年の水稲の出穂期は平年より2日早まる見込みのため、ほ場の出穂状況を確認し、適期防除に努める。
〇水田付近に出穂開花したイネ科植物(イタリアンライグラス等)を含んだ牧草地等がある場合や、本田内にノビエ、イヌホタルイ、シズイが多発している圃場では、カメムシ類の発生量が多い可能性が高いため、穂揃期2週間後の追加防除を実施する。
〇登熟期間が高温で経過すると、割れ籾の発生が助長されることがあるため、割れ籾の多い品種(あきたこまち等)は穂揃期2週間後の追加防除を実施する。
※例年割れ籾が少ない「ひとめぼれ」においても、減数分裂期の低温(7月下旬)や登熟期間(8月中旬~9月上旬)の高温という気象は、割れ籾の発生リスクとなるため、注意を要する。
〇なお、追加防除については、穂揃期1週間後にジノテフラン剤(アルバリン剤、スタークル剤)を使用した場合、2回目の防除は穂揃期3週間後に実施する。
〇粒剤による水面施用の場合は、穂揃期から穂揃期1週間後に実施する。なお、粒剤は発生密度が高い圃場や本田内雑草が多い圃場では使用しない。
〇薬剤による防除は、転作牧草地や雑草地に隣接したところを中心に行い、カメムシ類の生息する畦畔にも散布する。
〇地域一斉に防除すると効果が高い。地域の穂揃期の幅が7日以内の場合、半数の圃場が穂揃期
に達した時期の約7日後に一斉防除を実施する。
〇水稲出穂間際の草刈りは、アカスジカスミカメを水田に追い込むこととなるため、水稲出穂15~10日前までの草刈りが実施できなかった場合は、本田の薬剤散布(穂揃期1週間)後7日以内に実施する。
留意事項
〇養蜂活動が行われている地域で殺虫剤を散布する場合は、養蜂家等への防除計画の事前周知に努めるなど、ミツバチの危害防止対策を徹底する。
〇薬剤散布の際は、農薬使用基準を遵守し、周辺への飛散防止に努める。
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