【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 千葉県2023年8月3日
千葉県農林総合研究センターは、水稲に斑点米カメムシ類(特にクモヘリカメムシ、イネカメムシ)が県内全域で多発のおそれがあるとして、8月1日に令和5年度病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
写真1:クモヘリカメムシ成虫(左)とイネカメムシ成虫(写真提供:千葉県農林総合研究センター)
7月中旬に行った県内31地点の水田のすくい取り調査において、大型斑点米カメムシ類の平均捕獲虫数は5.94頭(1地点当たり20回振りすくい取り;平年2.94頭)と過去10年と比較して最も多かった。
同調査において、クモヘリカメムシの平均捕獲虫数は5.00頭(同 平年2.24頭)と過去10年と比較して最も多く、イネカメムシの平均捕獲虫数は0.81頭(同 平年0.39頭)と過去10年と比較して3番目に多かった。
気象庁が7月27日に発表した関東甲信地方の1か月予報によると、向こう1か月間の気温は高いと予報されており、斑点米カメムシ類の増殖や水田侵入後の加害活動の活発化に注意する必要がある。
写真2:斑点米(写真提供:千葉県農林総合研究センター)
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場および周辺雑草地を観察し、斑点米カメムシ類が多発している場合は、表を参考にほ場の薬剤防除を行う。
〇防除適期は、成虫飛来期である「穂揃期(出穂期3日後)」と、侵入した大型の斑点米カメムシ類の成虫が産卵した卵から幼虫が孵化する「乳熟期(出穂期から15日後頃)」の2回。大型斑点米カメムシ類は、飛来成虫よりも孵化幼虫による被害が大きく、乳熟期(籾を指で押しつぶすと乳液状の時期)から糊熟期(同様に糊状の時期)の吸汁によって被害が発生する(写真1、2)。
※出穂期とは4~5割の穂が出穂した時期のこと
〇共同防除実施地域においても、薬剤散布後に侵入した成虫によって被害が発生する可能性がある。例えばジノテフラン水溶剤(スタークル等)は残効が長く、防除後2週間程度は斑点米カメムシ類の発生密度の抑制が期待できるが、水稲の出穂状況や斑点米カメムシ類の発生状況により適宜、追加防除を行う。
※クモヘリカメムシの要防除水準(斑点米産出率を0.3%未満に抑えることを目標)
穂揃期の20回振りすくい取り成虫数が、早生品種で7頭以上、晩生品種で2頭以上。
表:斑点米カメムシ類の主な防除薬剤
◎留意事項等
(1)畦畔周辺にキシュウスズメノヒエ等イネ科雑草が多いほ場では斑点米カメムシ類の発生が多い傾向がある。また、周辺より出穂が早いか、反対に特に遅い水田では集中的に加害されやすいので注意する。
(2)粒剤は周辺で収穫が始まっている場合等のドリフト回避に有効だが、水に溶けた成分が水稲に吸収されて効果を示すため、即効性は液剤等の虫体への直接散布より劣る。特に大型斑点米カメムシ類に対する防除の際には留意する。
(3)水稲に割れ籾が発生すると、籾開口部からの斑点米カメムシ類の加害により登熟期後半に斑点米が発生しやすくなる。「あきたこまち」など割れ籾が発生しやすい品種を栽培している場合は留意する。
(4)収穫間近の防除になるため、薬剤の使用基準(収穫前使用日数)に注意し、厳守する。
重要な記事
最新の記事
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日
-
厚木・世田谷・北海道オホーツクの3キャンパスで収穫祭を開催 東京農大2024年11月22日
-
大気中の窒素を植物に有効利用 バイオスティミュラント「エヌキャッチ」新発売 ファイトクローム2024年11月22日
-
融雪剤・沿岸地域の潮風に高い洗浄効果「MUFB温水洗浄機」網走バスに導入 丸山製作所2024年11月22日
-
農薬散布を効率化 最新ドローンなど無料実演セミナー 九州3会場で開催 セキド2024年11月22日
-
能登半島地震緊急支援募金で中間報告 生産者や支援者が現状を紹介 パルシステム連合会2024年11月22日