【注意報】普通期水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 大分県2023年8月9日
大分県農業研究部病害虫対策チームは、普通期水稲に斑点米カメムシ類が県内全で多発のおそれがあるとして、8月8日に令和5年度病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
左から、ホソハリカメムシ(体長9~11ミリ)、
クモヘリカメムシ(体長15~17ミリ)、イネカメムシ(体長12~1ミリ)
7月31日~8月3日に実施した普通期水稲(40圃場)の巡回調査において、畦畔雑草のすくい取りを行った結果、斑点米カメムシ類(ホソハリカメムシ、クモヘリカメムシ、シラホシカメムシ類、ミナミアオカメムシ)は1か所あたり成幼虫計7.8頭(平年:2.4頭)で、過去10年間で最も多かった。
最近、九州北部地域で増加傾向にあるイネカメムシが、7月の巡回調査において県東部の早期水稲で多発圃場が確認され、今回のすくい取り調査においても県北部で1か所確認された。
斑点米カメムシ類は高温乾燥条件で多発するが、福岡管区気象台が8月3日に発表した1か月予報によると平年と同様に晴れの日が多く、気温は高い確率50%と予測されており、発生の好適条件が続く可能性がある。
大分県農業研究部病害虫対策チームでは、次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇斑点米カメムシ類は、水稲の出穂前に圃場周辺に生育するイネ科雑草の穂で増殖し、水稲の出穂後に成虫が圃場に侵入して穂を加害するとともに、成虫が産卵しふ化した幼虫による穂の加害により斑点米が発生する。出穂の2週間前までに圃場周辺の草刈りを行い、出穂直前の草刈りは斑点米カメムシ類が圃場に侵入するのを助長するため避ける。農薬は、穂揃期とその7~10日後の2回散布を基本とする。
〇周辺の圃場より出穂が早い圃場においては、斑点米カメムシ類の圃場への侵入が特に多くなるので、防除を徹底する。
〇イネカメムシは出穂前から圃場に侵入するため、同種の発生が確認されている地域(県北東部)では、出穂直前に1回目の農薬散布を行う。
〇1回目の農薬散布は、出穂期前後の基幹防除を有効に活用する。
〇防除に使う薬剤は、大分県農林水産研究指導センター農業研究部病害虫対策チームホームページ内「大分県主要農作物病害虫及び雑草防除指導指針」を参照。なお、薬剤によっては指針の更新日以降に登録内容が変更されている場合があるため、容器のラベルに記載されている使用時期、使用回数等を遵守して使用する。
(4点の写真提供:大分県農業研究部病害虫対策チーム)
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