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【特殊報】スモモに「クビアカツヤカミキリ」県内の果樹園で初めて確認 兵庫県2023年8月21日

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兵庫県病害虫防除所は、スモモにクビアカツヤカミキリの発生を県内で初めて確認。これを受けて、8月15日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。

写真1:生産園地で捕獲されたクビアカツヤカミキリ成虫の雄(左)と雌(写真提供:兵庫県病害虫防除所)写真1:生産園地で捕獲されたクビアカツヤカミキリ成虫の雄(左)と雌(写真提供:兵庫県病害虫防除所)

7月中旬、神戸市のスモモ生産園地においてクビアカツヤカミキリの成虫雄1頭、雌1頭が捕獲された(写真1)。その後の調査で、同一園地においてさらに雄1頭、雌2頭が捕獲された。

国内では2012年に愛知県で初めて発見されて以来、埼玉県、徳島県、大阪府、群馬県、東京都、栃木県、奈良県、和歌山県、茨城県、三重県、神奈川県の12都府県で発生が確認されている。発生地では、公園等のサクラやウメなどで幼虫の穿孔食害による枯死被害が大きく、果樹園ではモモ、スモモ、ウメ等で同様の被害が出ている。

兵庫県では、2022年6月、明石市内の公園における成虫雄3頭の発生が初確認だった。以降、同市をはじめ神戸市、芦屋市、西宮市の街路樹や公園内等のサクラにおいて、同種成虫や、幼虫が樹内を食害しながら排泄する糞と木くずが混じったものである"フラス"が発見されている。今回のスモモでの発生は、同県の果樹生産園地における初の確認となる。

発生園地から半径500メートル内にあるモモ、ウメの生産園地において調査を行ったが、発生園地以外では成虫および同種のものと思われるフラスは発見されていない。

写真2:地際部に集積したフラス(左)と幼虫の食入孔。樹皮からフラスと樹液の噴出がみられることが多い(写真はいずれもサクラ)(写真提供:兵庫県病害虫防除所)写真2:地際部に集積したフラス(左)と幼虫の食入孔。
樹皮からフラスと樹液の噴出がみられることが多い(写真はいずれもサクラ)(写真提供:兵庫県病害虫防除所)

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

〇特定外来生物法により本種を生きたまま持ち運ぶことは禁止されている。成虫を発見した場合は、その場で直ちに捕殺するとともに、病害虫防除所または該当地域の農業改良普及センターに連絡する。確認が必要な場合もあるので、捕殺個体は保管もしくは写真を撮っておく。

〇成虫は羽化後樹幹内から出てくるため、被害樹は4ミリ目合いのネットを地際部から1~2メートル程度の高さまで巻き付けて成虫の脱出・分散を防止する。この際、樹幹とネットを強く密着させると食い破られやすくなるため、ある程度余裕を持たせて巻くこと。

〇疑わしいフラスの発生が見られる樹木では食入孔(フラスが詰まっている幼虫の穿孔痕)を見つけ(写真2参照)、殺虫剤を注入して内部の幼虫を駆除する。内部にいる幼虫には薬剤が届きにくいため、針金などでフラスをかき出し、食入孔に散布ノズルをできるだけ深く差し込んで殺虫剤を噴射する。

〇複数箇所に食害がみられる樹木では、内部の幼虫を完全に駆除することが困難なため伐採する。伐採された樹木内でも幼虫は成長し成虫の発生源になるため、伐採樹は放置せず速やかに処分する。

〇成虫防除を目的とする殺虫剤散布は、成虫の発生時期である6~8月に樹冠全面または樹幹部に散布する。同種の発生がみられている園地およびその周辺の園地は重点的に防除する。

〇薬剤施用(散布、注入、噴射)を行う場合、病害虫・雑草防除指導指針(兵庫県農薬情報システム)等を参考に薬剤を選定し、農薬使用基準を遵守する。

〇詳細な防除対策は、兵庫県環境部自然鳥獣共生課が策定した「兵庫県クビアカツヤカミキリ防除対策マニュアル(令和5年6月作成)」を参照する。

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